《BTS》新人発掘課の私、無名練習生を持つ。 (ページ12)

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「随分嬉しそうじゃん」

『そうですか』

「やめろ急に真顔になるの」

レッスンの経緯を伝えていたら、先輩が嬉しそうだなんてふざけた事を言ってきた。
嬉しそう？なんで私が？嬉しいのは彼だろう。

『先輩が担当している子は？』

「…最難な事に厄介な子でさ」

『厄介？』

「ネガティブ思考が過ぎるんだよ」

『あぁ…面倒臭い子ですね。』

「今日のレッスンも、事務所に来たはいいけどレッスン室まで連れて行くのに苦労したよ」

『オーディション受けた時はネガティブ思考じゃなかっただろうに』

「まぁ、そんな暗い子練習生にする訳ないからな。」

『なんで急にそんな、』

「その、さ、お前の担当してるジョングクの実力だとか、ジュヨンの実力だとかに、メンタルが負けそうって」

『はい？

自分より実力が上だから？』

「ああ。」

『そんなの彼らの上にも沢山いますよ、』

「年頃の子はそうやって割り切れないんだよ」

『私があんな年代の頃は全て諦めてましたからね』

「そんな感じするわ」

溜息をついた後失礼な事を言ってくるから、余計に腹が立つ。

『降りればいいじゃないですか』

「担当を？」

『はい』

「馬鹿なのか。俺が出世出来ないだろそんなの」

『出世したいんですか？』

「当たり前」

『ふーん』

人の夢を叶えれば出世出来るだなんて、今更だけど馬鹿馬鹿しいと思った。
誰かの夢を叶えるのに地位なんて関係無いだろうに。

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