ユンギさんがデレデレだったら。

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電車の3駅でさえ遠い。
いつも隣にユンギが居るのに今日は居ない。


毎年コーヒーカップ買ってはしゃいでたの私だけ？
スマホケースだって嫌々付けてるの？

どこからユンギは偽っていたんだろうと思うと胸が苦しくなる。何もかも、舞い上がってたの私だけだったんだ。って。





学校に着くと、いつもは気にしないのにカップルだけが目についた。

虚しい。



大きなクリスマスツリーが立つ中庭のど真ん中。
学生達はツリーを横目にせっせと校舎に入っていく。

毎年クリスマスプレゼントをユンギと交換してたけど、この調子だとユンギなんてそんな事忘れてそう。


あんまり、一人でなにもかもを信じたり私だけで色々決めつけたりそういう事はしたくはないんだけど…






「A、おはよ」


特等席の、1番前の1番端で私を待ち構えていたかのようなユンギに声を掛けられる。


『おはよ』


「今日遅かったじゃん」


『いつもの電車乗り遅れちゃって。』


「そっか」


『体調本当に大丈夫？』


「大丈夫。昨日の冷えピタすげー効いた。あと、お前のキスも。」


『ちょっと…！』



普通に普段の声でそんな事言うからびっくりする。
まあ１番前の席の近くに座ってる生徒なんて居ないんだけど。



「俺はAに移ってないか心配だよ。大丈夫か？」


『一応マスク付けてきたんだけど、全然大丈夫』


「免疫力付いてて健康だな」


『身体強いよ私』


「知ってる。
足遅いし、シたあとはヘロヘロだけどな」


『ばか！』



こんな風に普通に会話してるんだから、そりゃあ錯覚するよ。幸せだなって思うんだもん。
でもこれがユンギの演技なんだったら、



私もうどうすればいいか分かんない。





「クリスマスちゃんと家にいろよ？俺用事あって一緒に居られないから」



『なんでっ？！』


「わりぃ。急に。」


『……』




どんどん崩れてく。





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