周りの変化 ページ12
それからは周りも変わってきた。
以前のカタクリの時のように、体質をいじってくるガキが出てきた。
血を飲みたいという欲求を満たし始めてからは犬歯も発達し、明らかな牙へと変質。
昼型だった生活も今では完全に夜型。
ちょっとした催眠も扱えるようになってるし。
たまにダイフクやカタクリが心配してくれるが、小さい弟や妹たちは何も知らないし、怠けているとでも伝えておくよう言ってある。
怠けているわけではないけどね。
怖がらせてしまうかもしれないし、これは必要な嘘だと思う。
血を飲む時は戦場の敵の物か、足りなければ夜中にストックの輸血パックを貰って飲んでいる。
他に変わったと言えば主な仕事の方だろう。
夜目が利くようになったことと視力等の五感を含む身体能力が大幅に上がった影響もあって、ママからは夜中の監視を頼まれた。
見聞色の覇気とその視力を合わせれば何のことは無い。
極々たまに夜に奇襲を掛けてくる馬鹿共はほとんどが懸賞金すらかかっていない名無しの海賊だった。
*
『今日も異常なし』
"そろそろ夜が明けるな..."
そうボヤいて月の沈む方向をぼんやり眺めていると、既に眠りから目覚めたカタクリが横にたっていた。
「血は足りているか」
『ん、大丈夫だよカタクリ』
「…そうか」
なんだか拗ねた様子のカタクリだったが何を拗ねているのか…。
『カタクリは寝起きかい？』
「ああ」
『随分早起きなんだね』
「…たまたまだ」
『そう？睡眠は大事だよ』
「わかってる」
『ならいいさ』
ちゃんと寝てるならね。
夜中は城の1番高い塔の先端に立って夜通し監視をするが、夜明け前にはある程度の高さまで降りている。
流し見と、少しでも動いた気がした場所は見聞色で念入りに視るのがやり方だ。これが一番効率が良かった。
いくら視力が良いとはいえ一気に全体を見るのは出来ないし、かと言って見聞色で夜通し視るのは体力的につらい。
『太陽が出るな…』
朝日が昇る。
この体質に変わってから太陽は苦手だ。
眠る時間が近づいてきた。
この体になって身体能力は上がったが。
みんなと同じじゃないという事実は些か嫌だが、たまにカタクリやダイフクら年長組が早起きして会いに来てくれる。
『ああ、綺麗な朝日だ』
夜が明けた。
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あまね(プロフ) - あ、すき (6月7日 21時) (
レス) @page19 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
kanrai - 面白くて好きです！これからどうなるのかがすごく気になります！応援してます！更新頑張ってください！！ (2021年6月3日 21時) (レス) id: 719db3de2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奈々丸 | 作成日時：2019年5月27日 7時
