レンタル彼氏始めました。最終章(黄) (ページ10)

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錦戸side

仕事終わって家帰って

風呂入って飯食って

さあ。あとは寝るだけ。

明日朝一の飛行機やから･･･

なんて考えながらベッドに横になると

頭元に置いた携帯が鳴った。

「･･･誰やねん」

ディスプレイには

“古賀A”の文字。

「う、そ･･･」

まさかかかってくるなんて

思ってへんかったから

妙にドキドキする。

「･･･はい」

『さっき電話貰ったんですけど･･･
登録してなくて･･･どちら様ですか？？』

電話に出ると

かけた時と同じ男の声。

俺はお前に掛けたんちゃうわ。

ってかお前が誰やねん。

「これ･･･Aちゃんの番号、ですか？？」

『･･･はい。Aの携帯です。』

ほななんでお前がかけてくんねん！！

お前誰やねん！！

「代わってください。」

『あ。はい。』

電話越しでは

なんか会話してる声が遠くで聞こえた。

『･･･もしもし』

やっと聞けた声にホッとして

顔が綻ぶのが自分でも分かる。

「あ。もしもし」

『･･･え。』

「俺･･･錦戸」

『あ。･･･はい。分かります』

「電話してんけど
男が出たから･･･間違えた思って」

『･･････････････････』

「Aちゃん？？」

『あの、びっくりしちゃって･･･』

そう放たれた声は

ほんまにびっくりしたんか

少しだけ震えとった。