アイノカタチ【青】

＊25＊ ページ26

♡ るぅとside

ころちゃんの惚気話を聞いてるうちに気づけば夜の7時


自分もよくこんな話に長時間も付き合えたものだ



当の本人は時間が流れていることに一切気づいていませんが、ね。



る｢ころちゃんもう7時ですよ、帰りましょう｣


と声をかけるが


｢ええ、いいじゃーん別に！じゃあ居酒屋でも行く？｣



る｢僕達真っ当な高校生ですよ、馬鹿言わないでください｣



まだ帰りたくない！とほっぺを膨らませるころちゃん



Aさんが相当好きなのか僕のことが好きなのか、やれやれ



まあ99%前者ですけどね




やっとの思いでころちゃんを店から出し帰ろうとする




つもりだったのに







‘君高校生？可愛いじゃん’



♡『やめ、てくださ…ぃ』









店の裏側からか弱そうに聞こえる女の子の声




面倒事に関わるのは好きじゃないですが、悪事を見逃す訳には、と店の裏へ足を急がせる









｢ねえ、何してんの｣









もう気づいた時にはころちゃんが女の子を庇い、まるで汚物を見るかのような目で相手を突き飛ばしていた






初めて見たいつもと違うころちゃん





誰かを守ろうとする雄の顔だった








｢危ないよ、何してたの？A。｣









ころちゃんの腕の中には、目に涙を浮かべたAさんが震えながらすっぽり収まっていた







『ぅっ、ころんくん』







僕はもう帰るとしましょうか、きっところちゃんならAさんを守ってくれますよね。






僕が2人の恋のキューピットになってあげてもいいですけどね？





なんて、嘘ばっかりだ

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