アイノカタチ【青】

＊6＊ ページ7

♡‬ ころんside

まるでずっと昔からいるように仲良く話している2人。

僕の存在感はこれっぽっちもなく、1人世界から取り残されたような孤独感が募った。

どうしても‘花園A’と‘黄司るぅと’が2人で居るのを見るのが嫌だった。
目障りだった。気に触った。



‘っ、何嫉妬してんだよ’



そう自分に言い聞かせ、自分の引き出せる最大限の笑顔で2人を見ているつもりだった。

が、Aからはとても笑っているようには見えなかったらしい
不機嫌な顔をした僕を見た途端、顔を真っ青にして玄関に行ってしまった。

それほど怖かったのだろうか。それほど嫌だったのだろうか。


恋は時に敵となる


初めて知ったこの感情にずっと気づけていなかった。
好きなんだ、僕。Aがただどうしようもなく好きで、大好きなんだ。


視界に入るとどことなく構いたくなる。
精一杯の力で抱きしめたいと思える。
そして何より



‘自分だけの物にしたい’という気持ちがある



泣きそうな目をして僕たちの目の前から走り去っていったAがただただ愛おしくて、儚くて、僕のたった一つの光だった。

この気持ちを忘れないよう、ゆっくり慎重に、彼女のことを懸命に考えながら帰宅した。

もちろん、この時の僕は 黄司るぅと の事など視界にはなく、彼女のことで頭がいっぱいだった。

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