ひと夏の恋 (ページ39)

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結局、私が起きたのはお昼すぎだったらしく、
私が甲板に出るとチップが甲板掃除をしている

サナ｢チップ、ヨーホー！｣

チップ｢サナ、ヨーホー！
今日はお寝坊なんだな！！｣

サナ｢ちょ、ちょっとね！
それより手伝うよ！！｣

チップ｢ありがと！！｣

いつもの様に、チップからブラシを受け取ると
ゴシゴシと磨いていく

チップ｢そういえば、そのバンダナ、
トリックのだろ？｣

サナ｢そう！貰ったの！！｣

頭に巻いたバンダナに手を当てる
着替えをするとき、トリックさんに貰ったやつ…
チップのズボンやピーターのシャツは
仕方がないから着ていいけど、
これは絶対忘れるな、と渡されたバンダナとそれに合わせた髪飾り…

サナ｢きれい…これ、トリックさんが作ったんですか？｣

トリック｢まぁな、俺は手先が器用なんだ｣

なんて言ってたけれど、
これ、作るの難しそう…

チップ｢おいらも今朝仲直りしたんだ！
トリックから謝ってきてびっくりした…｣

心の底から信じられないものを見た、とでも言いそうなチップの顔

サナ｢あはは、すごい顔してる｣

チップ｢ほんとだよ？
おいらびっくりしすぎて何か変なものでも食べたのかって聞いたんだ
そしたら夜に甘いご馳走を食べたって言ってたんだ｣

サナ｢ご、ご馳走…？｣

チップ｢マンマに聞いたら作ってないって
クックが内緒で作ったのかな？｣

サナ｢か、かもしれないね？｣

こ、子供にまでなんてこと言ってるんだあの人！！