ひと夏の恋 (ページ36)

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言っちゃった、どうしよう…！
トリックさんが話しかけてくれたからって調子乗った！！

ぎゅう、と袖を握る手に力を入れる
怖い、どんな反応されるんだろう…
迷惑って思われてるよね…

拒否して欲しくない…
けれど、されるなら私の手を振り払って欲しい…

相反する思いはグルグルと胸の中を駆け巡る

そんな思いを知ってか知らずか、
トリックさんは袖を握る私の手に優しく触れる

サナ｢トリック…さん？｣

トリック｢部屋に戻るぞ｣

サナ｢え、でも…｣

トリック｢いやか？｣

サナ｢いえ、嬉しいです｣

トリックさん私の手を引いて食堂を後にする
繋っぱなしの手がじんわりと汗ばんでいるような気がして気が気ではない

部屋に戻り、ベッドに座っても手は繋いだまま、

サナ｢あの、トリックさんは
私が嫌いになったんではないんですか？｣

トリック｢俺が？何故？｣

サナ｢私、トリックさんにひどいことを…｣

トリック｢…酷いも何も本当の事じゃないか
それに、俺の方がひどいことを言った
俺が嫉妬しているんだと、ゴールドに言われたんだ｣

サナ｢トリックさんが？誰に？｣

トリック｢レディに対してだ
周りの男とレディが仲良くしてるから嫉妬しているんだと｣

サナ｢そんな、トリックさんに…そう移ってしまっただけじゃ…｣

トリック｢いや、本当だ
嫉妬していたんだ
…認めたくはなかったんだが
他の男の服を着ているレディを見ていると
脱がせたくて仕方がない｣

サナ｢っ！
……………脱ぎましょうか？
トリックさんが嫌なら……………｣

気づいたらそう口走っていた