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サナ｢うっ、ひっく、｣
ぱらぱらと降り始めた雨、
甲板の上には誰もいない
皆、船内に入ってしまったのだろう
なんであんなこと言ってしまったんだろう…
私、この船に乗れてとっても幸せでとっても楽しいのに…
そりゃ、苦労がないと言えば嘘になる
知らない人達と一緒に暮らしてるんだから
でも、面白くもない私の話を真剣に聞いてくれる、
当たり前の事をしただけでありがとうと言ってくれる
私は家族なんていうものを知らないけれど、
この船で家族というものをしれた気がしたのに…
それなのに、
トリックさんのせいにして、
この船に乗ったことを後悔しているような言い方をしてしまった…
サナ｢私、最低だ…｣
本降りになった雨は甲板を濡らしていく
髪から垂れる雫は頬を伝う
｢サナ？何してんだ？｣
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作者名：nana | 作成日時：2019年9月5日 14時
