ひと夏の恋 (ページ18)

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あの後、チップに船内の案内をしてもらって、
マンマの夜ご飯を作るお手伝い…

私が、マンマさんって呼んでたら

マンマ｢堅苦しいからマンマでいいよ
みーんなそうやって呼んでるからさ！｣

チップ｢あー！おいらも！
おいらもチップって呼んでよ！
チップくんって呼ばれるのちょっとむず痒いんだ！｣

クック｢僕もクックって呼んでください！
…僕は癖なので敬語ですけど｣

って…
マンマのおかげでチップともクックとも
ぐっと距離が近づいた感じ

ルンルン気分で部屋の扉を開くと
トリックさんがイスに座ってお酒を飲んでいる

サナ｢なんのお酒ですか？｣

トリック｢ん？これか？ラム酒だ
飲むか？｣

サナ｢いえ、お酒は飲めなくて…｣

トリック｢飲めるようになるさ
1杯どうだ？｣

サナ｢じゃあ1口だけ…｣

ん、と差し出されるビン
…さっきまでトリックさんが飲んでいたお酒…

サナ｢い、いただきます｣

こ、これは間接キス…では…！？
それに気づくとなんだか恥ずかしくて手が震える

ふるふると震える手で1口ラム酒を口に含んだ

トリック｢どうだ？うまいか？｣

そう聞かれても味なんてわからなくて…

サナ｢不思議な味がします｣

トリック｢なんだそりゃ｣

ふっと笑うトリックさんがかっこよくて…
クラクラする