ひと夏の恋 (ページ1)

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｢お嬢ちゃん、見ておいきよ！｣

サナ｢私？｣

がやがやとざわめく市場で呼び止められる
みると、八百屋らしい
…珍しいな、海辺だから魚屋が多いのに

｢今日、いいリンゴが入ったんだよ！！｣

サナ｢わぁ、ほんと｣

ツヤツヤの綺麗な真っ赤なリンゴ、
とっても甘くて美味しそうだ

サナ｢ん、でもちょっと高いなぁ
おばちゃん！5個買うから銅貨5枚にしてよ｣

1個銅貨2枚のリンゴ…

｢半額じゃないか！！
ダメダメ！せめて9枚！｣

サナ｢6枚！！｣

｢だめだよ！！｣

サナ｢7枚！！これ以上はびた一文とも出さないよ！！｣

｢っ！負けた！！150円！！｣

サナ｢わぁい！ありがとうおばちゃん！！｣

｢あんた、商人の娘かい？？
なかなかやるじゃないか｣

サナ｢えへへ、値切りに関しては
ちょっとだけ自信あるよ
ありがと！！次も来るよ！｣

｢毎度あり！！
あ、そうだ最近この港に海賊が停泊してるって噂だよ｣

サナ｢海賊…？｣

｢気をつけなよ？海賊なんて…ろくでもないやつの集まりなんだからさ｣

サナ｢…ありがと！！また来るね！｣

紙袋に入れてもらったリンゴを受け取り、
帰路につく

海賊かぁ…そんな船あったかなぁ