Look me ! /sstk ページ4
「署長ー！おはようございます！今日はどんな感じですか？」
「おー、おはようAさん。今日は平和な方だね、あんまり大型が発生してないし」
「そうなんですね、じゃあパトロールしてこようかな」
「いいね、俺もヘリ乗ろうかな」
私はそのままガレージへ向かった。
「やっぱり気づいてはくれないかぁ…」
一応秘密にしているけれど、私は署長のことが好きだ。別に付き合いたい！というわけでもなく、一緒の職場で働けているだけで万々歳だと思っている。
とはいっても、やっぱり話したり褒められたりしたいな、と思ってしまうので、私はある作戦を実行中なのだ。
その名も「イメチェン挨拶作戦」。
ただ髪型を変えて朝挨拶するだけのシンプルな作戦。署長、気づいてくれるかなー？褒めてくれるかなー？とわくわくしながら作戦を数日実行しているのだけれど。
ぜんっぜん気づかない。
まあ気づかなくてもおかしくないし、口に出してないだけかもしれないから、しょうがないしょうがない。別の作戦を考えた方がいいかなぁ？
そう思いながらバイクを出していると、「あ、Aちゃんおはよー」と声が聞こえて、私は後ろを振り返った。
「けんきさん！ミミたや！おはよー、捕まっちゃったの？」
「うん、麻薬つくってたらけんきさんに捕まったぁ」
けんきさんに連れられた兎咲ミミちゃんが、はぁ、と大げさに肩を落とした。今日は珍しく長い髪を三つ編みにしている。
今日は三つ編み？かわいいねぇ、と言おうとした時、署の入口から署長が出てきた。
「あ、兎咲さん。髪型変えたんですね」
「さささんいっつも気づきますよねー。似合ってます？」
「まぁ、いいんじゃないですか？」
「やったぁー」
しょ、署長が、女の子の髪型の変化に気づいてる…！？しかも「いっつも」って…
私はミミたやの横で、かなりの衝撃を受けていた。気づいてないのかなーとか、口に出さない人なのかなーなんて思っていたけれど、普通に言うじゃん…
警察はギャングとは取引しない！という言葉の通り、特に深い意味はないだろうけど、それなら何で私には言ってくれないのか。もしかして私以外の人には言ってる？じゃあ余計何で私には…
早朝のよく働く頭は、考えなくていいことまでどんどん考えてしまう。
(やだなぁ、モヤモヤしてきた…)
「あーあ、さささんに見られちゃったから、強盗する前にまた美容院行かなきゃ」
頭を悩ませる私の横で、ミミたやがボソッとつぶやいた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1036人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
流 - 見つけたので読んでみたら懐かしくなってロスになってしまいました！凄く良いお話ばかりですね。更新があればkneさんのお話待ってます！ (4月21日 2時) (
レス) id: 3b26bb41f1 (このIDを非表示/違反報告)
lemon - リクエスト書いてくださって本当にありがとうございます！しゃかさんの口調が本当に大好きなので上手くトレースされていてスラスラ引っかかることなく読めました！私が見たかった話そのもので本当にめちゃくちゃ好きです😘 (12月26日 9時) (レス) id: 07a8a3ab03 (このIDを非表示/違反報告)
ねるねる(プロフ) - ありがとうございます!そう言ってもらえるととても嬉しいです! (12月6日 21時) (レス) id: 4974eeeb32 (このIDを非表示/違反報告)
miyaana(プロフ) - 好きです！応援してます！ (11月24日 17時) (レス) id: dd83a370ce (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ねるねる | 作成日時：2023年10月22日 22時
