キッドナップ･ランデブー/stmi ページ11
「あ、Aちゃんじゃん。おはよ」
突然肩を叩かれて振り向くと、端正な顔の彼がニ、と笑った。
「スタさん!おはよ〜、最近よく会うね」
「まあ最近ｈ俺が捕まりすぎてるしな。何だよSHAKAKINTVがよお!」
「あっはは、確かに釈迦さんと相性いいよね」
「いや最悪だよ、相性最悪!」
げえ、と顔をゆがめたスタさんを見て、再び笑いがこみ上げてきた。スタさんイケメンなのに表情豊かだから面白いんだよな。
「てかさ、俺が捕まったときいっつもいない？ちゃんと休み取ってる？」
「んー、まあ一応」
とっさにごまかしてしまったけれど、最近あんまり休んでない気がする。まあ警察みんな同じ状態だけど。
「嘘だ、ちょっと隈できてるもん。最後に休んだのいつか答えて」
「えーっと、1、2，…」
私が10を数えたあたりで、彼はハア、と大きくため息をついた。
「俺決めたわ。今からAちゃんのこと誘拐する」
「え、何急に、ちょっと!？」
そう言うなり、スタさんは勢いよく私をかつぐと、横にとめていたバイクに乗って走り出した。
「ちょっと、あの、スタさん捕まるよ!？」
「今更捕まることなんて気にしねーよ。こっちはギャングだからね？それよりAちゃんを休暇につれていくことのほうが大事だから」
スタさんはあっけらかんとそう言った。
「でも、働きづめなのは私だけじゃないし、警察ここ最近はずっと忙しいから」
「いやいや、かなかなとかSHAKAKINTVの体力分かってる？普通の人があんだけ働いたら死ぬよ？」
それは確かにそうだ。TOP3の負担が大きくならないようにとは思っているけれど、彼らの体力は私とは比べものにならないなあ。
「ホントにさあ、ちゃんと休みな？せっかくいつもおしゃれ頑張ってるのに、疲れて隈できてちゃ台無しだよ？」
「はーい」
「Aちゃんかわいいんだから、ちゃんと健康第一にしないと」
「スタさんこそさ、そういう調子良いことは誰にでもいうんじゃないよ？」
「いやいや、俺Aちゃんにしか言ってないから!」
「またまたー」
ちょっと頬が緩んでしまうあたり、私ってけっこうちょろいのかもしれない。今俵みたいに担がれてるのに。
他にもいろいろ言っておいた方が良いことが沢山ある気がするけれど、今のスタさんは何を言ってもあんまり相手にしてくれなさそうだから、静かに景色を眺めることにした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1036人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
流 - 見つけたので読んでみたら懐かしくなってロスになってしまいました！凄く良いお話ばかりですね。更新があればkneさんのお話待ってます！ (4月21日 2時) (
レス) id: 3b26bb41f1 (このIDを非表示/違反報告)
lemon - リクエスト書いてくださって本当にありがとうございます！しゃかさんの口調が本当に大好きなので上手くトレースされていてスラスラ引っかかることなく読めました！私が見たかった話そのもので本当にめちゃくちゃ好きです😘 (12月26日 9時) (レス) id: 07a8a3ab03 (このIDを非表示/違反報告)
ねるねる(プロフ) - ありがとうございます!そう言ってもらえるととても嬉しいです! (12月6日 21時) (レス) id: 4974eeeb32 (このIDを非表示/違反報告)
miyaana(プロフ) - 好きです！応援してます！ (11月24日 17時) (レス) id: dd83a370ce (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ねるねる | 作成日時：2023年10月22日 22時
