�� ページ14
次の日。私は布団にくるまりながら、みかんゼリーを食べていた。
水にしばらく浸かっていたせいか、風邪をひいてしまったのだった。
微熱以外に大した症状は出ていないので大丈夫だと思ったけれど、出勤したところを「顔赤いけど熱あるんじゃない？」と署長に止められ、「帰らないと撃つ」と叶さんに脅されたため、仕方なく家に帰ってきた。
家に帰ってから少し熱が上がった気がするので、上司達の判断は正しかったのかもしれない。
みかんゼリーを食べ終えたとき、ピンポーン、と玄関のベルが鳴った。誰だろう。
少しふらつきながら玄関まで行き、ドアを開けると、
「どーも、風邪ひいたって噂で聞いたんでお見舞いに来ましたー」
そこにはバニラが立っていた。
え、なんで来たの！？髪もボサボサだし化粧もしてないのに…
急いでドアを閉めようとしたが、バニラが素早く入ってきたので、抵抗は無駄になってしまった。
「なんで私の家知ってるの」
「ん？えっと、ギャングの情報網みたいなのがあるから」
ギャングこわ。ここに住むのやめて引っ越そうかな。
「なんでギャングが警察のお見舞いなんか来たの」
立っているのがしんどくなった私は、玄関に座りながらバニラに尋ねた。
「だって、俺らが捕まった時さ、警察はいっつも俺らにフィードバックしてくれるじゃん。敵のくせに。毎回敵に塩送られてる気がしてたから、ちょっとだけやり返そうと思ったわけ」
「そんな理由でわざわざ来たの…」
しばらくの沈黙のあと、バニラがしゃがんで、私の顔をのぞき込んできた。
「まあそれは建前なんだけど。本音を言うと、自分のせいで好きな女の子が風邪引いたかもしれんって聞いたから、これはお見舞いに行くしかないと思って」
え、今なんて。
勢いよく顔を上げると、こちらを覗き込んでいたバニラと思いきり目があって、私は思わず目を逸らしてしまった。
「まあ急に押しかけちゃったし、買ってきたものだけ置いて帰るね。ごめん」
そう言って立ち上がったバニラの服のすそを、私はとっさに掴んだ。
「何、どしたん」
「あの…い、嫌じゃないから………かえら、ないで」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1298人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しぃ(プロフ) - わわわわ！！vnlさん！！！ありがとうございます！！！めっちゃいい！！キュンキュンしました！！！ (10月17日 23時) (
レス) id: 09b9babe7c (このIDを非表示/違反報告)
れ - 本当にまた来てくれるの嬉しすぎますよね！リクエストも書いてくれると宣言しとくださってありがとうございます！すごく楽しみに気長に待っていますね！新しい章も楽しみにしてます！一緒にGTAが戻ってくるまで待ちましょうね！ (10月17日 15時) (レス) @page49 id: 0e2a34e66e (このIDを非表示/違反報告)
umineko(プロフ) - ねるねるさん» 書いて頂けるんですか！？ありがとうございます🙇♀️救急隊女子も参加するとか最高です！いつまででも待つんで自分のペースで頑張って下さい！！ (9月27日 0時) (レス) id: 79e6e18a4b (このIDを非表示/違反報告)
ねるねる(プロフ) - uminekoさん» ありがとうございます!警察女子会でよければ書けると思います!もしかしたら救急隊女子とかも参加するかもしれないです! (9月11日 0時) (レス) id: 4974eeeb32 (このIDを非表示/違反報告)
umineko(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます。ほんっっとに良ければでいいのですが、サポートさんのツーショットでオイルリグベイトになってしまった事件？に夢主が加わってもっとカオスになった、とかロスサントス警察女子会in遊園地を読んでみたいです！長文失礼しました (9月3日 23時) (レス) @page4 id: 79e6e18a4b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ねるねる | 作成日時：2023年8月3日 9時
