紅一点は男前？6 (ページ49)

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君が為。ページ49

dt side

1年に1回あるかないかの頻度でやってくるAの病み期。

んー…病み期は言い過ぎかな。

本人からしたらなんか落ち込んじゃって涙が出ちゃう。
くらいのものなんだろうけど俺らにとっては一大事レベルの出来事なわけですよ。

康二、目黒、ラウールの3人はまだ見たことがないから目の当たりにした日には凄く驚くだろうね。

筋が通っていて男勝りだし、圧倒的な実力と美しさを兼ね備えているAは常に大きな期待とプレッシャーの中で生きていると言っても過言じゃない。

だからAが少しでも辛いと思うことがあるならできることを全力でしてあげたいと思う。

きっとそれは先輩も後輩もみんな思ってるだろうね。

だけど、やっぱりメンバーである俺たちがAにとって1番の味方でありたいと思う。

A｢りょーたぁー？？｣

dt｢すぐ行くから、ちょっと待って。｣

今日は仕事の前に"ちょっとだけ"という念押し付きで寂しかったと俺たちに涙を見せたお嬢さん。

ということは、ですよ。笑

ふっかを先頭に5人のお兄ちゃんたちが存分に甘やかしておりましたよ。えぇ。

俺？俺の出番はこの後かな。

A｢涼太まだぁ？？｣

dt｢はいはい、もう行けるよ。｣

お嬢さんから急かされちゃったことだし、

行きますか。

A｢じゃあね〜｣

dt｢お疲れ。｣

一足先に楽屋を出てAと駐車場に向かう。

A｢今日は私の家でもいい？｣

dt｢ん。いいよ。｣

俺の家じゃないんだ。って思った？

なんかね、昔からこうなの。
何故なのかは俺も知らない。笑

A｢ただいまぁ〜、涼太おかえりぃ〜｣

dt｢おかえり。ただいまー｣

A｢涼太お風呂溜めて先に入ってね。｣

dt｢……分かった。｣

家主より先に入るのはちょっと気が引けるんだけど
Aは俺が風呂に入ってる間に2人分では済まされない量の料理を黙々と作るんだよね。笑

他のことは何も考えたくないしストレスの発散になるんだって。

だから俺はいつもより長風呂をするし、上がった後も手伝ったりしないようにしてる。

A｢……ふぅ。できた。｣

俺が風呂から上がって数十分。

待てをくらっていた俺の前にはダイニングテーブルに収まりきらないほどの料理たちが並んだ。

dt｢今回もまた凄い量だね。｣

A｢作りすぎたぁ。笑｣

本人が満足してるならいいんですよ。

｢いただきます。｣