紅一点は男前？6 (ページ37)

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ハマっているもの。ページ37

iw side

久しぶりのオフに心躍らせたのもつかの間。

頭痛と共に目が覚めた時点で察してはいたけど
いざカーテンを開けてみると窓の外はやっぱり雨。

iw｢はぁ、とことん雨男なんだよなぁ…｣

日課のランニングもこの雨じゃ無理だし今日は家でゆっくりするとしよう

室内でできるトレーニングとシャワーで目と体を覚まし
簡単に朝ごはんを作ってふっかが出ている朝の情報番組を見ながら朝食を食べていると机の上で携帯が鳴った。

iw｢A？……もしもし｣

A｢おはよ〜！！今日照ん家行くねー！んじゃ！｣

iw｢えっ？！は？ちょっと！………切れた。｣

なんなんだよもう…

電話が切れた後すぐにきたメッセージによると

"雨で撮影中止になった！"

"雨だから照は今日家から出ないでしょ？"

"あと2時間くらいで行くね〜"

らしい。

行動を読まれてるのがなんか悔しいしちょっと怖い。

し、俺の都合とか関係なく遠慮なんてものもないし
すでに決定事項なのもなんか腹立つ。

だけどAと長いこと一緒にいればこんなことは日常茶飯事なわけで、結局言うこと聞いちゃうんだよな…

慣れって怖いわ〜(笑)

とりあえずあと2時間は来ないから今はゆっくりご飯食べて洗濯と掃除だけ終わらせよ

iw｢あぁ、、、平和なオフになりますように。｣

・

・・

・・・

・・・・

と願っただけ無駄だった。

残念ながら2時間前の俺の願いは隣に座っているこいつと目の前のテレビから流れる怪談によって打ち砕かれた。

iw｢うぅっ…｣

"……返せぇぇえええ！！！！！"

iw｢うあぁぁっ！！…もうっ…急に大声出さないで！｣

A｢あはは！テレビに向かってキレても意味ないよ？｣

iw｢分かってるけど無理！！｣

ここ1週間くらいで怪談を聞くことにハマったらしいAはうちに着くや否やテレビにYou〇ubeを繋ぎ怪談を流し始めたかと思えば雰囲気作り？なのかな…

カーテンを閉めて部屋の明かりを消し、どこから持ってきたのかロウソクの形をしたライトを1本ローテーブルに固定すると満足そうにソファに座って怪談を聞き始めた。

うちに着いてからソファに座るまで俺との会話は挨拶のみ。

無言で動き回るAに呆気にとられているうちに部屋の中はかなり不気味な空間になっていた。

iw｢ねぇ、まじで怪談しか見ないの？｣

A｢え？うん。面白いでしょ？飽きないんだよね〜｣

………勘弁してくれよ。