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僕は、俺はあの日死んだ。
あの日生を諦めた。
宙を舞い、何も感じなくなった時に見たのは無情にも眩しい太陽と晴れ渡った空。
死ぬには勿体ない程のいい景色。
痛みなんて感じない体。
その鮮やかな景色は瞬く間に赤く塗られて、重力に従って落ちていく中で俺の名を呼ぶ声が沢山聞こえた。
魔法特有のあのキラキラとした眩い光の粒子があちこちに光った。
ただ、俺にはなんの意味もない。
あの時の俺にとっての“救い”は他者に与えられるものではなく、他者との関わりを根絶するもの。
死しかなかったのだ。
救済なんて笑わせる。
あれだけ俺を苦しめておいて何が救いだ。
まぁ、もういいか。
意識は死の闇の中へ落ちていった。
だが、気が付けばその暗闇の中に大きな声が響いた。
いつだったか聞いたことのあったそれは、産声。
俺は転生したのだろう。
それから恐ろしい程早く成長した。
その過ぎ去る思い出も充実したものではあったが。
幼稚園。
そこで出会ったのが俺が前世から親友としていた友人。
泣きそうになった。
生きていてよかった。生まれ変われてよかった。
その言葉が脳を埋めつくして柄にもなく泣いた。
最初は驚かせてしまったようだが、時代を超えて、ひとつの死を経験しても尚巡り会えるそれは運命と呼ぶに等しいものらしく幼馴染、親友、そんな言葉が良く似合う関係になった。
前世となんら変わりない彼が愛おしくて堪らない。
あの日の死に対する恐怖も嫌悪も感じなかった。
あれがあったから、またこうして。
幼いながらにそれがどんなに幸せな事か噛み締めていた。
小学校、中学校、高等学校、大学。
クラスは違えど、ずっと一緒。
叶わなかった青春は想像していたよりも遥かに煌びやかだった。
そして、
都内の大きな私立大学。
一人暮らしのマンションの一室。
すぐ傍の家から覗く顔はよく見知った俺の大切な幼馴染。
前世の齢を超えた。
相変わらず一緒にいる俺の幼馴染と、高校時代からの友人。
あぁ、幸せだ。
緩やかな晴天と、世界を色付ける鮮やかな陽光。
そんな晴れやかな世界で俺は、
そう、思っていたのに。
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ユユ - もっとちゃんと更新しろよ馬鹿！......これでいいすか？ (2022年8月6日 14時) (
レス) @page9 id: 052070c032 (このIDを非表示/違反報告)
よるかぜ。(プロフ) - 続き早よぉっ！面白いし気になって寝れねぇじゃねぇか！夜しか！ (2021年5月22日 21時) (レス) id: 3ba4441e74 (このIDを非表示/違反報告)
アズ - 続き早よ (2021年5月3日 21時) (レス) id: 476a9beca3 (このIDを非表示/違反報告)
まぉ - ツイステにハマってから、様々な作品を読み漁った中で、初めて泣いた作品でした。悲しいはずなのに、苦しくなっても、文章から目が離せない。こんな素敵な作品に出会えて良かったと心の底から思ってます。長文失礼しました。無理のない程度で更新頑張ってください。 (2021年3月18日 23時) (レス) id: 341d5f51e8 (このIDを非表示/違反報告)
椎名(プロフ) - (名前)さん» 私が拘った所までしっかり見て頂けていて本当に嬉しいです！ご期待に応えられるように頑張りたいと思います( > < )ご感想ありがとうございます。 (2021年2月6日 18時) (レス) id: db59582261 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：椎名 | 作成日時：2020年11月26日 0時
