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大学生。
いつの間にか探していたAはずっと見つからないまま、前世の年齢を超えていた。
Aはもしかしたら今の自分たちのようにまた新しい人生を送れている訳じゃないのかもしれない。
自分たちのように生のチャンスを得ている訳では無いのかもしれない。
屋根を蹴って空へ飛び出したあの瞬間に、もしかしたら…
「お、A〜！」
どくん。
心臓が跳ねた。
何度も口にしたその名前。
忘れないように。絶対に忘れてしまわないように。
あの日の絶望を、あの日の彼の恐怖と解放を胸に刻むために。
エース「ぁ…」
なんでだろう。
あれだけ会いたかったのに。
あれだけ話したかったのに。
あれだけ、謝りたかったのに。
髪色は黒じゃない。
明るくて薄い茶色。ミルクティーみたいな柔らかい色。
Aは柔らかい。あの色みたいにふわふわした優しさがある。
淡色が似合う。
肌は白い。前もだけど今はなんか白っぽさが違う。
不健康な白さじゃない。
髪色と合わさって色素が全体的に薄い。なんか、神秘的ってやつ。
あの時のAも確かに神秘的だった。
彼の延長線上にあるのは決して俺たちじゃない。
それこそ神や悪魔。
人智を超えた何かがあの時あの人に宿っていた。
そんな気がする。
酷く冷徹な黒い目と赤の映える黒髪。
悪魔みたいだった。
あの日の目の奥の冷たさは無くなってた。
今は悪魔じゃなくて天使みたいだな。
薄くて、儚くて。泡沫のような淡いひと。
思わず惚けて見入っていた。
危ない危ない。
俺はこんなことしてる暇無いだろ。
何考えてんだ、俺。
それでもやっぱり風に揺れる淡色の髪が綺麗で。
俺の知っている彼はどこかへ消えてしまったんだと。
俺たちのAはいないんだと、思い知らされた。
幸せそうにはにかむA。
知らない。
友人だろう、周りにいる人と楽しそうに話すA。
知らない。
友人と戯れるA。
知らない。
全部全部、そこにいたAは知らなかった。
身に纏う優しげな雰囲気は知ってるのに。
そこにいる人間はAと同じ顔で同じオーラを持っているだけの別人なんだと言いたくなるような。
あぁ悔しい。
前世のAなら知ってるのに。
あのAは知らない。
悔しい。俺が、俺が1番になりたかったのに。
＿＿＿＿
遅くなってごめんなさい…
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ユユ - もっとちゃんと更新しろよ馬鹿！......これでいいすか？ (2022年8月6日 14時) (
レス) @page9 id: 052070c032 (このIDを非表示/違反報告)
よるかぜ。(プロフ) - 続き早よぉっ！面白いし気になって寝れねぇじゃねぇか！夜しか！ (2021年5月22日 21時) (レス) id: 3ba4441e74 (このIDを非表示/違反報告)
アズ - 続き早よ (2021年5月3日 21時) (レス) id: 476a9beca3 (このIDを非表示/違反報告)
まぉ - ツイステにハマってから、様々な作品を読み漁った中で、初めて泣いた作品でした。悲しいはずなのに、苦しくなっても、文章から目が離せない。こんな素敵な作品に出会えて良かったと心の底から思ってます。長文失礼しました。無理のない程度で更新頑張ってください。 (2021年3月18日 23時) (レス) id: 341d5f51e8 (このIDを非表示/違反報告)
椎名(プロフ) - (名前)さん» 私が拘った所までしっかり見て頂けていて本当に嬉しいです！ご期待に応えられるように頑張りたいと思います( > < )ご感想ありがとうございます。 (2021年2月6日 18時) (レス) id: db59582261 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：椎名 | 作成日時：2020年11月26日 0時
