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「あれ？ナミちゃんも働く感じの？」
エースは隣に並んだやる気満々のナミに気づいた
ナミは頷いた
「あ、マジ？…って、その格好どうしたわけ？」
エースはギョッ、となる
それはナミの頭にオクタヴィネルの寮服であるハットと、首には薄紫色のストールが巻かれていたからだ
「あーっと…なるほど…」
エースは周りを見て、
こっちを睨んでくるウツボ兄弟を確認し、納得した
フロイドのストールとジェイドのハットがなかったからだ
「それじゃあ、ドリンクでも運びますか」
ナミはエースに続いて、ラウンジへやってくるお客様が頼んだドリンクを運んだ
「君、可愛いね」「どこの寮生の子？」「あれ？女の子？」という会話はすべて
「あ？」
デュースのキレ顔によって遮断されていた
「ナミのボディーガード強…」とエースが若干引いている「けど、安心だわ」
「あ、ナミちゃん、ちょい待ち」
エースは横を通り過ぎたナミの手を掴んだ
「帽子、曲がってるぜ？」とナミのハットを直した
「いやぁ、オレ、こっち側でよかったわって安心してる」
エースはいきなり真顔になり、
なぜか安心していた
エースはキョトン、としているナミの髪に触れた
「こうしてナミチャンに触れても許されるし、あんな風にデュースに“他人”がナミに触るなって威嚇されずに済むし…」
ーーこっち側でよかった
というのはそういう意味だ
みんながナミの存在に気づく前に友達になれてよかった、ということ
「まあ、あの兄弟には睨まれ続けてますけど」
エースは睨んでくるフロイドとジェイドに親指を向けたが、そこまで怖がっていなかった
「ナミが絡んでいるなら別。好きな子、取られたくないし」
べー、とエースは舌を出した
「こーいうのオレらしくていいでしょ？」
エースはニッ、と歯を出し、ナミにウインクをした。ナミはそんないつもと変わらないエースに安心したのだった
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作者名：真灯 x他1人 | 作成日時：2022年12月5日 18時
