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「ナミ…」
レオナはナミを抱きしめた
失いたくない、という気持ちが強く
どうしても腕に力が入ってしまう
ナミの体が砕け散ってしまう…
だけど、顔の近くに引き寄せた
ナミの額に自分の頬を押し付ける
最後まで、彼女を近くに感じていたかったからだ
「どれほどナミが大切だったが、どれほどお前が大きな存在だったか分かっていたのに、俺は…お前に酷いことしかできなかった…」
レオナから反省の色が見える
ナミの頬に水滴が落ちた
彼女の頬を撫でるように、それは地面へと垂れた
レオナの体が震えている
「失いたくねェ…」
レオナの肩が小さく縮む
まるでそれは大切な宝物を失った子どものような姿だった
レオナにとってナミは“ありがとう”と自分に初めて礼と笑顔を向けてくれた女性だった
突き放してやろうとしたが、ナミはレオナのところにずっといた。レオナが離れようとすれば、抱きついてきた。
レオナは自分でも分かってしまう
コイツに好かれているんだと
一匹の人として…
ナミがどんどんレオナの体に埋もれていく
レオナは目を伏せて、言うべきことを伝えた
「悪かった…」
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しかし、ナミが元の姿に戻ることはなく
やがてその体は砂に変わり、
風とともに空へと帰っていった
彼女はもうそこにはいない
けれどレオナはその場にいた
まだ感じる温もりを抱きしめていた
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そこを、そっと誰かが抱きしめた
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レオナは目を見開いて、驚く
こんな俺を抱きしめるやつは誰だ?
まだナミに浸らせてくれ、とレオナは思った
だけど、その者はいなくならない
今度はレオナの頭をぽんぽんと撫で始めた
まるで頑張った息子を褒める母親のように…
そしてとうとうレオナは気づいた
「この…かおり…この…におい…」
レオナはその者の香りを嗅ぎ分けた
知っている香りをがした
レオナはゆっくり振り返った
眩しい太陽の下、
レオナを笑っている誰かがいる
「ナミ…?」
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にんじん(プロフ) - めちゃくちゃ好きな展開です!! (6月29日 17時) (レス) id: fa066f41d7 (このIDを非表示/違反報告)
なみ2(プロフ) - 箱さん» きゃっ(*≧∀≦*) (2022年12月4日 22時) (レス) id: c79dd3b270 (このIDを非表示/違反報告)
箱 - 私もでーす( 〃▽〃) (2022年12月4日 19時) (レス) id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
なみ2(プロフ) - 箱さん» マジ?なんか今回、自信なくて…迷ってたけど、そうおっしゃってもらえて安心しました!コメありがとうございます!愛してるー!(謎) (2022年12月4日 18時) (レス) id: c79dd3b270 (このIDを非表示/違反報告)
箱 - どうしてだ、どうしてだ❗、どうしでこんなにも好きなてんかいなんだ約(ありがとうございます) (2022年12月4日 17時) (レス) @page44 id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:真灯 | 作成日時:2022年11月27日 21時