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19 ー小話ーお土産編(ヴィル) ページ19







 ナミは鏡から足を出した
 するともうそこはノーブルベルカレッジではなく、自然と安心するナイトレイブンカレッジの鏡の間だった




「あーら、おかえりなさい」


 すると顔の影が濃くなっているヴィルが迎えに来てくれていた
 ナミはヴィルが何かに苛立っていたのも気にせず、ただ久しぶりに友達に会えたことが嬉しくて、ヴィルに抱きついたのだった




「あっ、ちょっ」


 ヴィルはナミが突進してきたのに驚きつつも、「まったく可愛いことしちゃって」とお人形をあやすようにナミの頭を撫でる




「あたしがいなくて寂しかったのね」


 ヴィルはボソッ、とナミの耳に呟いた




「あたしもすっごく寂しかった…」


 ヴィルはなぜか悲しそうにナミを抱きしめる




「寂しくて、寂しくて、いざナミを目の当たりにしたら嬉しい感情とは逆になって、ナミに厳しく当たり散らすところだったわ…危なかった」



 ヴィルはナミの髪に顔を埋め、
 安心したように息を吐く
 ナミはそんなタイミングを見計らって、マジカルペンをふり、後ろに放置していたキャリーケースからお土産を取り出す
 ヴィルに渡した




「あらこれ、リップじゃない。花の街限定の…」


 ヴィルはその商品を見て驚いた




「ん〜お花の香りがするわ。ナミにしてはいいセンスしてるじゃない」

 
 ヴィルはウインクをし、「ありがとう」とナミにお礼を言った
 とっても嬉しそうだ




「これ塗ったら、あとでキスしてあげる。それじゃあ、あとの人のことは頼んだわよ」


 ヴィルは手をふり、この場をあとにした
 ナミは首を傾げる
 ヴィルが離れたあとには、黒い笑顔のケイトとトレイがいたのだから





20(ケイト&トレイ)→←18



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作者名:真灯 | 作成日時:2022年11月27日 10時

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