気づいたら囲まれてた。 (ページ10)

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初対面スケアリー 2 ページ10

ラ「レオナさん！」

くるっと後ろを向けば、そこには俺より身長は小さいものの威圧感のある人がいた。
…わあ、悪人顔。正しく悪役(ヴィラン)だな。

レ「俺がお前を呼んでくるように言った。ソイツから手ぇ放してもらおうか。」

「嫌です」

レ「ああ？」

「食いもん取られたのでやり返したいです」

ラ「ちょっ！？納得してくれたんじゃないんスか！？」

バタバタと暴れるブッチ先輩。
はぁー、言わなきゃわかんないか？溜息を吐いてからブッチ先輩を持ち上げ、顔を近づけて言った。

「師、曰く…

それはそれ、これはこれ。」

ラ「なんスかそれ！！」

レ「後にしろ。俺の用事が終わったら好きにしていいぜ」

「ならいいです。…それで、ご用件は？」

レ「お前はサメの人魚だって聞いた。」

…どこ情報？もしかしてオクタヴィネルの人達？…有り得るな、あの人達なら売りそう。個人情報、売られすぎでは？イタチザメ、嫌になってきました。対価が貰えるからって売るなよ、先輩方。

「…はあ、まぁそうですが。」

レ「ちょっと入用でな、サメの歯が欲しい。サメの歯はすぐに生えてくるだろ？」

「アクセにでもするんですかアンタ…」

ラ「そんなもんの為にオレを売ったんスか…」

レ「そうだな、五本くらい欲しい。」

「…結構欲しがりますね」

何に使うかは教えてくれないのね…。
まあ無理な本数ではないが、あれ結構痛いし…タダなのは嫌だな。うん、断ろう。

レ「くれたら…そうだな、ラギー(ソイツ)を好きにする権利と、食い物買ってやるよ」

「乗ります」

ラ「はっや！即決じゃないっすか！」

何言ってんだ、俺の食費いくらかかってると思ってんだこの人。もう毎月死ぬほど稼がないと足りないんだよ！！

「んじゃちょっと待ってください」

ブッチ先輩をその場に落として、俺は自分の黒マスクを外した。ギラりと覗く歯に手をかけ、そのまま引き抜く。それを五回繰り返した。

「…ってて……これでいいっすか？」

ラ「…アンタちょっと正気じゃないっすね…」

レ「まあ嫌いじゃねえな、その潔さは。」

そう言ってニヤリと笑ったその人は、そのまま俺に話しかけてきた。