気づいたら囲まれてた。 (ページ8)

今日:1 hit、昨日:12 hit、合計:99,853 hit

マブだちアヴァンチュールページ8

「…なんだそれ」

エ「…寮長に首はねられた」

「うわぁ」

エ「引くな！！」

今俺の部屋にはハーツラビュル寮のカニちゃん(エース・トラッポラ)が来ている。
…え？わかるって？一応ですよ、一応。

「…で、何で俺の部屋？」

エ「取り敢えず避難しに来た。後でオンボロ寮に行くつもりだけど…」

「…ああ、ウチの寮の人達、関わりたくない人だろうしな…」

そう同意すれば、そゆこと、と返ってきた。
狡猾というか抜け目がないと言うか。ウチの寮の人達一癖も二癖もあるからな。嫌がるのも頷ける。

エ「でも聞いてくれよ！寮長酷いんだぜ！？」

そう言ってペラペラと話し出す。
要約すれば、なんでもない日と呼ばれるティーパーティーに使われるいちごタルトを一切れつまみ食いしてしまったらしい。それが見つかり、規則(ルール)違反で首をはねられた…と。

「それお前が悪いな」

エ「はぁ～！？マブの俺がこんなんにされてんのに同情心も無いわけぇ！？」

「食べ物の恨みって恐ろしいんだぞ。後々とんでもない事を引き起こすんだ」

エ「だからなんだよ～期待外れだわ～！！」

「…実際に経験すればわかるぞ」

エ「はい？」

俺がそう言うとどういう事？と言うように此方を向いたカニちゃん。
そんなカニちゃんに俺は自身の体験談を聞かせた。まあ普通に食べたい物を食べられたからそいつ食った的な…因果応報的な…そんな話をした。

エ「オレお前の食いもんぜってー食わねぇ…」

「…なんか震えてね？」

エ「あんなこえー話滅多に聞かねぇよ！お前のせいだかんな！！」

「えぇ…そう怒るなよカニちゃん」

エ「オレはエースだ！」

フロイド先輩の真似続行中なんだから仕方ないだろ。こちとら皆のあだ名覚えなきゃいけないのに。まだマブしか覚えられてないわ。
…カリム先輩とバイパー先輩ってなんて名前だろ。

エ「聞いてんのか！？せめてフロイド先輩がいないとこではエースって呼んでくれよ！」

「わかったわかった…トラッポラ」

エ「お前おちょくってんだろ！」

きゃんきゃん煩かったので早々にオンボロ寮に配達した。
ユウは驚いてたが、俺の顔を見てわかったんだろう、「お疲れ様…」と言ってエースを引き取ってくれた。まだ何か言ってたけど無視して帰った。

…え？何でハーツラビュル寮じゃないのか？
だって俺ハーツラビュル寮二人しか知り合い居ないもん、怖い。