少しの疑問 ページ38
出『かっちゃ！！ん！！！！』
「んの位置おかしいだろ」
両親に報告してからすぐ出久から電話があった。
何でこうタイミングいいんだろうか。
出『ごごごご、ごっ』
「おう、おめっとさん」
出『え？！何でわかったの？』
「あ？わかんだろ。何年の付き合いだよ」
出『…意外だぁ』
「は？」
出『かっちゃん僕に興味ないだろなって』
「…」
出『ああぁあ待って！切らないで！絶対切ろうとしてるよね！？切らないでお願い！！』
何で電話越しにそんなこと分かんだよ。キメェな。
ちっ、と舌打ちした後に出久が話し出した。
出『合格するなんて思ってなくてさ…。ほ、ほんっと、に…もう…うぅう』
「泣くなや出久。合格がゴールじゃねんだぞ。」
出『う"。…手厳しい…。』
俺も人のこと言えないくらい浮かれてたけど。
…あれはノーカンで。
出『そ、それはそれとして！かっちゃんも受かったんでしょ？』
「は？」
出『だから合格祝いで皆でどっか外食でもーって、うちで話してたんだけど…都合がいい日ある？』
「おい待て、テメェこそ俺の合否聞いてねぇだろうが」
出『え？…あ、うん、聞いてない、ね？』
何でそれで俺が合格してると思ってんだ？俺そんな声色に出てたか？
首を傾げてると、スマホから出久の声が聞こえてきた。
出『かっちゃんの声色が落ち込んでないし、試験終わった日の様子からしてやりきった感じはしてたからってのもあるけどね』
「キｯｯｯｯショ」
出『シンプルな罵倒…。あの、続き聞いて？
…その、根拠はないんだけどさ。かっちゃんは絶対に受かる、って…なんか、そう思ってたんだ。
あはは、可笑しいよね…。』
「……」
スマホから出久の慌てて弁解するような声が聞こえてくるが、俺はそのまま黙っていた。
つまり…今まで接してきた経験から、俺は必ず受かるって疑いもしなかったってことか？
…何だそれ、めちゃくちゃ信頼されてんじゃねーか。
出『…ねぇちょっと、かっちゃん！聞いてる？！』
「ふはっ、」
出『えっ』
「テメェ、馬鹿だな。あー…ははっ、」
出『……そんなに笑う？』
「あー、いいもん聞いたわ。とりあえず母さんたちの都合確認すっから切るぞ」
出「あ、うん！また学校でね！」
電話を切り、一息ついた所で俺の頭にとある疑問が浮かんだ。
…彼奴、無個性でどうやってあの試験を突破したんだ？
___その日芽生えたモヤモヤが、俺の中に積もっていた。
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本好き - 面白かったです！更新頑張って下さい。 (7月1日 14時) (
レス) id: 225623cf6e (このIDを非表示/違反報告)
わーいわい - かっちゃんがとっても可愛くて大好きです！これからも無理せず頑張ってください！ (2023年5月1日 20時) (レス) id: 925b8c8098 (このIDを非表示/違反報告)
. - toってなんのtoですか？ (2022年12月24日 2時) (レス) id: a26000a1fb (このIDを非表示/違反報告)
ゆずっきー(プロフ) - 続きは？！(('◉-◉’))ｸﾞﾜｯ (2022年1月26日 13時) (レス) @page22 id: 6aa4041669 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - すごく面白いです！！これからも頑張ってください！！！ (2022年1月4日 12時) (レス) id: 3ab9a2dc6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nameless0621 | 作成日時：2021年7月20日 19時
