胸に突き刺さる言葉 ページ26
その後、しばらく沈黙が続いた。
流石の父さんも何も言えないのかと思って、チラリと父さんの方を見た。
すると父さんは何やら考え込んでいるようだった。
俺の視線に気がつくと、いつもの優しい笑顔を浮かべてこういうんだ。
勝「そっか。勝己はそう思っていたんだね。」
「お、おう…」
勝「本気でヒーローになりたい人達が集まるヒーロー科に、生半可な気持ちで挑めないって事だね」
「…そ、そう、だな？」
そういう事に、なるのか？わ、わからん。
自分でもモヤモヤしてるのはわかってるんだけど、改めて言葉にするのは難しいって言うの？そういう感じ。
勝「確かに、生半可な気持ちで挑んだら、真剣にヒーローになりたくて応募した人を一人落とす事になる。」
「う…」
勝「勝己は推薦状が届いたからね、合格はほとんど決定してるようなものだ。」
「……」
勝「いいんじゃないか、蹴っても。」
「え」
ばっ、と父さんの方を見た。
父さんはなんて事ないようにもう一度、「蹴っていいと思うよ、父さんは」と繰り返した。
…まじでか。正直もっと反対されるかと思った。
勝「勝己がやりたいことをやるのが一番だからね。親としては勝己がそう決めたなら応援するよ。」
「…父さん」
勝「でも、こうして推薦状がくるくらい、勝己の事を認めてくれている所があるって事は覚えておくんだよ」
「…わかった」
勝「そうだ、勝己。推薦状を見せてくれないかな」
そう言われたので大人しく見せた。
相変わらず特別推薦枠推薦状っていう文字と面接日時と持ってくるものが書いてあるだけだった。
それを見て父さんは嬉しそうに笑っていた。
勝「父さんは嬉しいよ。こんな自慢の息子をもてて」
「大袈裟だろ」
勝「大袈裟じゃないさ。…勝己」
「ん？」
勝「もしも少しでもヒーローに興味があるなら、雄英高校に行くのは悪くないと思う。やらない後悔より、やる後悔って言うだろう。」
「…おー」
勝「後悔を少なくするための行動はできても、後悔をなくす事はできないんだ。…父さんは、勝己が後悔の少ない道に進むためなら協力を惜しまないよ。」
そう言って父さんは部屋から出ていった。
父さんの言葉が妙に胸に突き刺さった気がして、俺はその日、寝る事が出来なかった。
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本好き - 面白かったです！更新頑張って下さい。 (7月1日 14時) (
レス) id: 225623cf6e (このIDを非表示/違反報告)
わーいわい - かっちゃんがとっても可愛くて大好きです！これからも無理せず頑張ってください！ (2023年5月1日 20時) (レス) id: 925b8c8098 (このIDを非表示/違反報告)
. - toってなんのtoですか？ (2022年12月24日 2時) (レス) id: a26000a1fb (このIDを非表示/違反報告)
ゆずっきー(プロフ) - 続きは？！(('◉-◉’))ｸﾞﾜｯ (2022年1月26日 13時) (レス) @page22 id: 6aa4041669 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - すごく面白いです！！これからも頑張ってください！！！ (2022年1月4日 12時) (レス) id: 3ab9a2dc6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nameless0621 | 作成日時：2021年7月20日 19時
