兄妹喧嘩8【ヒロアカ】 (ページ9)

今日:31 hit、昨日:61 hit、合計:28,220 hit

49 ページ9

『…最低』

凛とした声が、確かに響いた
爆豪は血だらけの手のままニヤリと笑う

爆豪「ハッ、俺が怪我すれば来ると思ったぜ……"アテナ"
これが最適解だろ？」

『………フン…最悪な方のな』

口角を上げる爆豪とは真逆に、鋭く睨み続けるアテナ
一つため息をついて爆豪の手首を握れば、傷はすぐに消えた

「っ…！(あれが未登録の個性…！？)」

『…誰』

爆豪「公安だとよ、Aは危険人物だからこっちで保護するってな」

『別にほっとけばいいンじゃねえの
てめェに関係ねえだろ』

爆豪「関係あンだろ、俺の命はてめェにかかってる
身動きがとれなくなったら困ンのはこっちだろ？」

『てめェがそうやって自分を傷つけてくのも困るわ
治すこっちの身にもなれ』

爆豪「ハッ、てめェの体は治らねえのに、治せる俺の体を心配しろと……都合がいいなァおい」

『……今は虫の居所が悪ィんだよ
今はAの無意識下で無理矢理動いてる状態…長期戦はもちろん、できればこのまま帰りたいの

…ったく、"何したら寝かせてくれンの？"』

アテナは呆れた表情で爆豪に問いかける

＿＿爆豪はその言葉を待っていたように、またニヤリと笑った

爆豪「しばらく、敵に関連するような行動はするな、俺や雄英から離れるな」

『……』

「！！」

爆豪「そうすればお前は今すぐ寝れるし、俺はまたお前を見失わないで済むし

そこの公安の悩みも、丸く収まる」

『……へえ』

爆豪「それならいいか？」

爆豪は公安に問う
勝ち誇ったような笑みをうかべながら

「…それを彼女が守る証拠はありますか」

爆豪「だとよ？A」

『……ﾁｯ、はいはい守りますよ
これでいンだろ？公安』

「＿＿＿…分かりました、1度戻って上に掛け合ってみましょう」

この最初から最後までが、爆豪勝己の思惑通り

帰る公安を見る挑発的な笑みは、Aの苛立ちを増幅させた

『…やりやがったな、勝己』

爆豪「なんの事かさっぱりだな、A」

『ハッ…全部想像通りってか、腹立つな』

爆豪「想像通りであろうとなかろうと、お前がそばにいる未来を勝ち取れたならこっちはそれでいい」

『！……』

爆豪「そもそも、ただの兄妹喧嘩を邪魔する方が悪ィ」

爆豪は、それだけ言って雄英の中へ戻って行った