兄妹喧嘩8【ヒロアカ】 (ページ35)

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56ー腹黒たちの秘密ページ35

Aside

「やあ、久しぶりだね

君は今＿＿どちら側なのかな？」

『……さァな』

誰もが不快になる声を、楽しそうに発する
酸素マスクをつけたその男＿＿オール・フォー・ワンは、いつもと変わらずニヤニヤと笑っていた

AFO「君が短い期間に2回来るとは……何かあったのかな？」

『ああ、質問があったからな
それさえ聞ければ、こんな嫌なとこすぐ去るわ』

AFO「つれないね…僕は敵の君ともう少し話してみたいよ」

『あいにく今はヒーローでも敵でもねえただの死にかけの人間なんでな、長く話す義理もねえ』

AFO「…フフ、可哀想だよ
選びもせず進みもしない最悪な選択だ
オールマイトと同じように、いずれ後悔する"維持"の選択だ

"普遍"などではない」

笑いながら言葉で煽るAFO
コイツには、私の選択が"維持"に見えるか

…反論してェとこだが、いらねえ情報まで与えちゃたまらねえな
外にいる、付き添ってくれてたオールマイトにも、待たせちゃ悪ィ

『なぁ、死柄木弔いるだろ
アイツの中に、まだ転孤はいるか？』

AFO「ふむ…前に君が僕に言った言葉をそのまま返すようだが、分かりきったことを聞いているようだね
そんな人間はとっくにいない、彼は生まれ変わったのさ」

『私が一緒に過ごしてたのは転弧だ、けど再会したアイツは死柄木だった
教えろ、私が居なかった時、お前は転弧を消したか？』

最初から転弧に会えるのなら苦労はしねえ
だがアイツの中に転弧がいないのなら、死柄木という敵しかいないのなら

“私”という存在を、武器に使えない

AFO「僕は何もしていないよ…むしろ、君が転弧を裏切ったんじゃあないか
「いなくならないで」…先に約束を破ったのは君だ」

『……』

AFO「あの後、ヒーローに保護されたのも知らなかった転弧がなんて言ったか、教えてあげようか」

AFO「"＿＿＿＿＿＿＿＿"ってね」

『……』

AFO「フフ、言ってあげよう！志村転弧を死柄木弔にしたのは君だ！
まだ敵として未熟だった死柄木弔は、橋の下で泣いていた君に自分を重ねた
兄妹として接してるうちは、昔に戻ったみたいで楽しかっただろう？

君のどっちつかずな選択で、一人の凶悪敵が生まれた
今度の選択も中途半端…この数年間、無駄な時間を過ごしたようだ

教えてくれよ、君が誰を救けられるんだい？」