兄妹喧嘩8【ヒロアカ】 (ページ33)

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『……この写真を、燃やす為だ』

写真から目を逸らさず、その言葉は控えめに発せられた

爆豪「…大事なモンって、今言ってただろ」

『ああ、大事だな
でもこれからの戦いは必要ない
どっちかっつーと意識的な問題なんだ

この写真を残していれば、私はきっと近い死柄木との戦いで、迷いが生じる
見過ごせない脅威になる死柄木弔っつー敵に、もう居やしない義兄の影を見る

その一瞬で、誰かが死ぬかもしれねえ』

爆豪「まだ一人で戦うつもりか？てめェの油断なんかいくらでも俺が拭えるわ」

『…よく言うぜ

＿＿てめェは死柄木に心臓ぶち抜かれたのにな』

爆豪「…！！」

勝己には、未来で自分が殺されることしか知らせていなかった
それが誰によってなのか、初めて知ることになる

『未来がどう変わるかなんて分からねえけど、勝己から遠い場所で死柄木を抑えれば、流石にリスクは下がると思ってたんだ
でもてめェはわざわざ私の前に現れた、殺してやろうかと思ったわ

もう分かってンだよ……どっちかが生きるなんて選択肢ねえんだろ
1番クソゲーな未来選んでるって』

爆豪「クソゲーをクソゲーじゃなく出来ンのが、そのOFAじゃねえのかよ」

『この個性は確かにそうだがチートじゃねえ、それに見合う力がなければ個性に切り捨てられる

この歪んだ個性に、私の覚悟を示さなきゃいけねえ
だから大事なモンに…ケジメつける』

声は強く、揺るがない
だが勝己は、写真を見つめるAの瞳に、

爆豪「……やめとけ」

覚悟で塗り固められた"未練"を見た

『…お前らはよく、私の覚悟を止めるよな』

写真を持つ手を掴まれたAは、かつてカッターを持つ手を掴まれた時の面影を重ねた

『未来(寿命)を捨てて過去と向き合おうとして、雄英を出た
それを連れ戻して未来を生きさせたのは勝己

だから未来を生きる為に過去とケジメをつける、その一歩として燃やす
私は…何か判断を間違えたか？』

爆豪「…間違えちゃいねえよ、言い分はそういうことか
私情が混じるってのも、個性を最大限に使うためってのも、よく分かったわ」

爆豪「てめェが"ヒーロー"として、死柄木に会いに行こうとしてるってな」