兄妹喧嘩8【ヒロアカ】 (ページ12)

今日:30 hit、昨日:61 hit、合計:28,219 hit

50　突き動かす者ページ12

夜 A組寮

轟「これから…どうすんだ？」

爆豪「何をだよ」

轟「Aの事だ
あんな理由聞いて…よく落ち着いてられるな」

爆豪「…落ち着いてはねえよ」

轟と共に、眠るAの前で話す
デクと切島にA組への説明を投げて、俺たちはAの様子を見に来た

轟「A…起きるのか」

爆豪「俺に聞くな」

轟「そうだよな…」

分かりやすくモヤモヤしてる轟を横目に、Aを見る
白くなった髪に、顔色の悪い感じが合わさって今にも死にそうだ

轟「Aと戦うって、決めたんだが…あんな理由聞かされちゃ俺は…」

爆豪「…揺らいでんのか」

轟「……悪ィ」

爆豪「別に構いやしねえよ」

轟は暗い顔をしながら、少しづつ話し始めた

轟「最初は…自分から死にに行くなんて間違ってるって思ってたし、Aだけが辛い思いするなら、俺もそれを背負ってやりたかったんだ

それがたとえ誰の命でも、Aの心が軽くなるなら」

爆豪「……」

轟「でも、話を聞いてたら、俺がAを苦しめてるようにしか聞こえなくて
本当にこれで良かったのか、分からなくなっちまった」

ギリ、と音がなるように歯を噛み締めた轟は、そう零した

爆豪「それでも、俺らはぶつかるって決めただろ
今更何言ってンだ

ここで諦めて、Aが死んでくの黙って見れンのか」

轟「っ……見れねえよ…！俺は…俺は…！」

……甘すぎンだよ、コイツの周りは

だから…Aが守りたいって思っちまうんだろうな
それ言ったらさらにめんどくせえことになりそうだが

轟「Aは…俺を救ってくれたんだ」

爆豪「…中学か？」

轟「っああ…最初の入学式の時に無理矢理遊びに付き合わされて、親父に怒られても啖呵切って…
その時から…死柄木のこととか、個性とか、A自身も辛かったはずなのに、俺のこと意図的に助けたんだ

アテナじゃなくても、俺のヒーローはいつでもAなのにな」

爆豪「…そーかよ」

さっきとは変わって、涙目の優しい笑顔で、Aの頬に触れる轟

その表情は何かを決めてるようにも見えた

轟「悪い爆豪、目の前で泣いちまって」

爆豪「最初に言ったろ、別に構いやしねえ」

轟「ふっ…お前も、Aと同じだよな」

爆豪「あたりめーだろ兄妹だぞ」

轟「(俺は…ちゃんと向き合う、Aの運命と)」