隣の家の河瀬くん。 (ページ9)

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この関係はページ9

すーちゃんの後を追っていくように歩いた

間取りは私の家と一緒なので迷わなかったけど、やっぱりまだ緊張は解けなかった

「…あ、入っていいっすよ」

『わっ、あ、失礼します…』

いつの間にか河瀬さんは追い付いていたらしい

リビングの扉を開けてくれた

スマートだな

「カワセにも遂に春が!?」

「保護者じゃんw」

小声で話す二人

河瀬さんはその二人を軽く叩いた

『わぉ…』

「カワセぇ…何すんだよ！！」

「とりあえず…自己紹介して」

「あ、俺？…もうあの事知ってんの？？」

「まだ言ってないけど」

「私は言ってるよ」

「んじゃいいんじゃね？」

目の前で話し合いをしないでくれ

蚊帳の外感半端無い…

「え～～…俺の事分かる？？」

『えっ？』

リアルで言ったら分からんけどネットなら…

だって、声的に多分巨漢の…

『らっだぁ…さん？』

恐る恐る言ってみる

違ったらどうしよう…

「おー、そうだよ」

すーちゃんが代わりに言ってくれた

「や、やべ～、俺もついに顔バレかぁw」

合っていたらしい

らっだぁさんは頬をかきながらそう言った

その後、らっだぁさんと河瀬さんがスマブラをしているのを横目に私とすーちゃんはお茶会をしていた

「…ふーん、わりと最初から気づいてたんだ」

『そうだね…顔とか声とか似てたし…』

今は河瀬さんの話

河瀬さんは顔出しをしてるから見るとファンなら大抵分かると思う

けど声だけでもきっとファンの人は分かる←

すーちゃんは悩んで…

「……Aはさぁ、カワセのことどう思ってるの？」

小声でそう言った

どう…思ってる？

隣人？配信者と一般リスナーの関係？

そんなことが頭に浮かんだ

それが、言えればよかったのに

“気をつけてくださいね、若槻さんは可愛いんで”

『…分かんない』

河瀬さんのある一言が忘れられず私はこの関係に名前がつけられない

「…え、もしかしてA…カワセのこと…」

すーちゃんは驚きつつも楽しそうにニヤリと笑っていた

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