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「あ、なんか買おうよ。暑いでしょ」
遊歩道を歩いていると、茶屋が目に入り、
うみくんに言われるまま店内に入った。
うみくんが奢ってくれるみたいだったから
私は暑いしかき氷が食べたいなと思って、
メニューに書かれた“氷宇治金時” を指差した。
ー
頼んだかき氷が運ばれてきて、
私はそれを食べ始める。
向かいに座るうみくんは頼んだラムネを
ちびちびと飲んでいた。
別に彼は特に気にしていないんだろうけど…
ラムネだけのうみくんを前に
抹茶に餡子に白玉にと
盛りだくさんのかき氷を食べるのは、
なんとなく気が引けた。
自分で払えばよかったかもと後になって思った。
とりあえずむしゃむしゃと食べ進めていると、
テーブルの上でラムネ瓶を両手で持ちながら、
うみくんはこっちを見てくる。
じーっと、見つめる感じで。
『…何、そんな見て。やっぱ食べたくなったの？』
「や、大丈夫」
『我慢しなくてもいいよ、ほら。ひとくちだけね』
うみくんは大丈夫って言ってたけど
シェアした方が私的に気分が楽になるから
負けじと“美味しいよ、食べなって” と勧めた。
なかなか食べてくれなかったけど、
ようやくうみくんの首が少し伸びて、
ぱくりと、かき氷を口にしてくれた時。
私、何故か嬉しいって思った。
その気持ちはその後すぐの、
だっさい右手のグッドサインで
笑い飛んでしまったけれど。
ー
『じゃあそろそろ、私帰るね〜』
「うん。じゃあね、Aちゃん」
“送るよ”、
またうみくんにそう言われるのを待っていたけど、
彼の言葉はそこで途切れる。
今までこんなことなくて不思議に思っちゃって。
私はその後も送ってくれるように促したり、
してもいいよっていってみる。でも全然ダメで。
「俺はやなの、
Aちゃんとは普通に接していきたいから」
とサラッと真面目な顔で言われちゃった。
でも“普通”って言葉、私には全くピンときてなくて。
終いには、
うみくんからタクシー代まで貰っちゃったよね、
私、今日本当になにもしてないのに
そんなに貰って大丈夫？と心配に思ってた。
でも貴方はそんな私の心配もよそに
さも当たり前といった感じで
“ばいばーい”とそのまま軽く手を振り、
背を向けて去っていって。
その背中には、
すごく大きな余裕があるような気がしてさ、
これが芸能人の力か…
なんて少し馬鹿げたことをしみじみと感じてた。
ー
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推しとリアコは別JAPAN(プロフ) - minaさん» こちらこそリクエストしてくださって本当にありがとうございました！お待たせしてすみませんでした、、。お気に召していただける作品が書けるように頑張ります！ (2021年5月8日 14時) (
レス) id: 23a232e58d (このIDを非表示/違反報告)
mina(プロフ) - 作者さんこんにちは！リクエスト叶えて頂いてありがとうございます！新作待ってました(//∇//)お話の世界にどっぷりハマらせて頂きます(ハート) (2021年5月6日 10時) (レス) id: d0bee73eb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：推しとリアコは別JAPAN | 作成日時：2021年5月6日 0時
