【WT】アイドルの君とマネージャーの私【na】

15輪 ページ16

『本番5分前でーす』



私のその声で彼らは気合いをもう一度入れる。



na「この瞬間はいつまで経っても緊張するなぁ」



なかむさんが不安をボソッと吐き出す。


そんななかむさんの背中をたたく。



『何弱音吐いてるんですか』



『なかむさんなら大丈夫ですよ』



『楽しんできてください！』



そう言って笑って見せれば、彼は緊張の糸を緩めた。



na「ありがとう」



前までは私に向けることのなかった柔らかい笑顔。


今となっては私だけに見せてくれる特別な笑顔。





《続いてはワイテルズの皆さんでーす！！》



司会者の声。


彼らはあのキラキラとした舞台へ足を進めた。






これは、アイドルの君とマネージャーの私の恋物語。




たくさんの人から憎まれる恋物語。




きっと、許されることのない恋物語。





2人だけの恋物語。




アイドルは嘘が上手いから。




そんな恋物語は隠して、今日もたくさんのファンに"愛(ウソ)"を伝えてね。





『いってらっしゃい！』




na「いってきます！」





そして私たちは今日も、7本のヒマワリで愛を育んでいく。

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