モノクロ3【鬼ヶ崎カイコク】

第124話 完璧主義者 ページ44

貴方「────っとまあ、これが私の過去ですよ。お分かりいただけましたか？


ユズさん」


ユズ「……。なぜ、僕にその話を？」

貴方「あなたが自分で言ったんでしょう。『自分は完璧主義者』だと。隅々まで知らなきゃ気が済まないのなら、その後も教えましょうか？」

ユズ「いや、僕にはこの話は重すぎる。その先は遠慮しておくよ」

貴方「あら、ここから先が面白いとこのなのに」

そう言ってユズさんを見てニヤリと笑った私。ユズさんはピエロっぽさが少し抜けた感じの笑みで私を見て笑った。

自分にふりかかる不幸を面白く話せるのって才能だと私は思う。



────まあ、ただの自己満足なんだけどね。


ユズ「ユイユイは、ボクよりも深いね。いろいろと」

貴方「否定はしませんよ。深いのは事実だと思います。周りの大人がしっかりしてればこんなことにはならなかったんでしょうけどね」

二人しかいない病室で彼女と笑い合う。その笑みは、嘘っぽくて、本物っぽい。

まだ、互いには秘密がある。話していないことがある。けど、それは境界線なのかもしれない。

『ここまでは話してもいいけど、こっから先は知らない方がいいよ』

2人の笑顔がこう言い表しているのかもしれない。


……ただ

“彼女”も同じ完璧主義者。

1度気になったことは知りつくさないと気が済まない性格なのである。


『全て知り尽くしてやる。あばいてやる。』









笑顔の奥ではこう思っているのかもしれない。

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