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第118話 重なっている手 ページ30

ナナミside

「戻ってこい!みんなお前を待ってる……!」

今の鬼ヶ崎くんの仲間の誰かがそう言ったあと、自分の知っている声が耳に届いた。



「まって!いかないで!!」


いつだろうか。
とても小さな女の子に自分の話をしたのは。


いつだっただろうか。
遠く離れた女の子に手紙を書いたのは。


いつだっただろうか。
その小さな女の子の



『ナナミにーさん!(ニコッ』



笑顔と明るいその声を聞いたのは。


扉越して顔や姿は分からないけれど、なぜかしら。その子の顔がはっきりとわかる。


気づいたらもう一度扉の前に立っていた。


「……お願い」


どれぐらい大きくなっているのかしら。


どれだけ綺麗な女の子になっているのかしら。


どのくらいワタシのことを覚えていてくれたのかしら……。


わかっている方はずるいわよね。扉の向こうにあるはずの温かさがはっきりと伝わってくるんだもの。


おそらく、手がある場所に自分の手を重ねて。扉に額をあずける。


「ナナミ………」


「大好きよ、A」

あの子が聞こえないすごく小さな声で貴方に対する思いを言う。

聞こえてしまったら、貴方はきっと扉を蹴り飛ばしてでもこちらへ飛んでくる。

……一瞬たりとも忘れたことは無かった。

……あなたとの手紙やり取りは、4年前のあの時からなくなってしまったけど、その手紙は全部持ってる。大事にしまってるのよ?

「鬼ヶ崎くん」

鬼「なんでぇ」

「好きな子ってAちゃんかしら?」

鬼「なっ……!!」

まるで、初恋かのように頬を染める鬼ヶ崎くん。それを見て、ワタシはクスクスと笑ってしまう。

できればその恋を近くで見守っていたいけれど


「あの子のこと、よろしくね」

鬼「……おう」

それはできない。ワタシには守るものがあるから。

もう一度、扉をみて優しく笑い手を離す。


ほんの少しの間しか、その手は重なっていなかったけれど、ワタシにはそれで十分だった。

それだけで、ワタシは幸せだった。






ホントのホントに大好きよ………







ワタシの可愛い妹。

第119話 おかえり→←第117話 大切な人



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ミー - エクスプロージョン愛し隊さん» エクスプロージョン愛し隊様、コメントありがとうございます!!おおおおかしくはならないでくださいね!?すごく、心配しますので……。亀最新ですが、これからもよろしくお願いしますm(*_ _)m (2019年9月7日 23時) (レス) id: 13fa699958 (このIDを非表示/違反報告)
ミー - 椎名零さん» 椎名零様、コメントありがとうございます!!私もご本人登場にはびっくりして、目が点になってしまいました……wこれからもよろしくお願いします!! (2019年9月7日 23時) (レス) id: 13fa699958 (このIDを非表示/違反報告)
ミー - 鬼ヶ崎カイコクさん» これから、もっとかっこよくなる予定ですよ!覚悟していてくださいね!!w (2019年9月7日 23時) (レス) id: 13fa699958 (このIDを非表示/違反報告)
ミー - 蓮花さん» 蓮花様、2度目のコメントありがとうございます!!読んでくださる皆様が楽しめて、ドキドキするお話を書いていこうと思っておりますので、これからもよろしくお願いします(*・ω・*)ゝ (2019年9月7日 23時) (レス) id: 13fa699958 (このIDを非表示/違反報告)
エクスプロージョン愛し隊 - 続きが気になる・・・気になりすぎておかしくなりそうです!! (2019年8月31日 11時) (レス) id: 55d994f4d3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミー | 作成日時:2019年3月30日 23時

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