第113話 落ちる言葉 ページ25
忍霧妹のあとを追いかけ、そのあと人魚と言われる金魚を見た。ここにいる生物は何でもでけぇ。あんな、巨大金魚見たことなかった。
……そして地下にもう1人仲間がいたってことを知った。
水に潜ったため体に少し寒気がするが、シャワーにも浴びて、ナナミにーさんがコーヒーを入れてくれて、ふと思った。
『ここにいて大丈夫なのだろうか』
「……いったん部屋に戻るかねェ」
もし、俺が白の部屋からいなくなったことがバレて今ゲームしてるヤツらに迷惑がかかるのは避けたい。
ナナミ「白の部屋に?それとも、好きな子に会いに?」
「は?」
ナナミ「ごめんねー。さっきサクラに聞いちゃった♡」
聞いちゃったって……。
「脱落してんだからもう、会えねェだろ」
ナナミ「あら、じゃあホントに好きな子がいるのね」
“好きな子じゃねェ”
と言えばいいのに、何故だろう。この、カマかけられた気分は……。
ナナミ「以外に頑固なのねぇ。認めちゃえばストンと落ちるもんよ?」
「認めるもなにも俺はその子のことなんとも思って……」
本当に?
ここに来てからずっとそうだ。気づけばあの子のことを考えて、気づけばあの子の姿を探してる。
この気持ちを言葉にすれば、この胸に残る不思議なマドロミも消えるのだろうか。
ユズ『カイさんはユイユイのことが大好きなんだね』
サクラ『好きなんだね、その人のこと』
「だあああああ、もうっ!!」
頭をグシャグシャとかく。
ナナミ「な、何よ急に……」
「会えなくなって気づくって、カッコわりぃな、俺」
ナナミ「そんなことないわよ」
「だってよォ」
ナナミ「人ってね失って初めて気づくものよ。
それを思い返した時に、なんとも思わないならその程度なものだったってこと。
会いたいとか、もう一度とかそんなふうに思うのなら大切だったという証拠。
だからなーんにもカッコ悪いことなんてないわ。むしろ、良かったじゃない。今気づけて」
「……いや、カッコ悪りィよ。ずっと気づかないフリしてたんだからな」
ナナミ「鬼ヶ崎君……」
「けどもう、それも出来なくなった」
逃げ道はもう残っていなくて、残された道はたった一つの長く果てしない道。
「もういい、認める。俺はあの子が好きだ」
“好き”
口に出し認めてしまえば胸は軽くなるが、思いは溢れてくる。
この思いに蓋をすることは……もうしねぇよ。
『おにーさん(ニコッ』
これから覚悟しとけよAちゃん。
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ミー - エクスプロージョン愛し隊さん» エクスプロージョン愛し隊様、コメントありがとうございます!!おおおおかしくはならないでくださいね!?すごく、心配しますので……。亀最新ですが、これからもよろしくお願いしますm(*_ _)m (2019年9月7日 23時) (レス) id: 13fa699958 (このIDを非表示/違反報告)
ミー - 椎名零さん» 椎名零様、コメントありがとうございます!!私もご本人登場にはびっくりして、目が点になってしまいました……wこれからもよろしくお願いします!! (2019年9月7日 23時) (レス) id: 13fa699958 (このIDを非表示/違反報告)
ミー - 鬼ヶ崎カイコクさん» これから、もっとかっこよくなる予定ですよ!覚悟していてくださいね!!w (2019年9月7日 23時) (レス) id: 13fa699958 (このIDを非表示/違反報告)
ミー - 蓮花さん» 蓮花様、2度目のコメントありがとうございます!!読んでくださる皆様が楽しめて、ドキドキするお話を書いていこうと思っておりますので、これからもよろしくお願いします(*・ω・*)ゝ (2019年9月7日 23時) (レス) id: 13fa699958 (このIDを非表示/違反報告)
エクスプロージョン愛し隊 - 続きが気になる・・・気になりすぎておかしくなりそうです!! (2019年8月31日 11時) (レス) id: 55d994f4d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミー | 作成日時:2019年3月30日 23時