第105話 出ない言葉 ページ17
カイコクside
ナナミにーさんに、着替えをもらい、この島の説明を受け終わったと同時に、忍霧妹の捜索が始まった。
俺はにーさんに言われた貯水路の方を探しに行くと、機械をガチャガチャいじくっている忍霧妹を発見した。
「よお、嬢ちゃん」
サクラ「おにーさん」
A『おにーさん』
Aちゃ───────。
固まった。あの子と重なったから。かくれんぼの時に不安そうに俺の袖を掴むあの子の姿と。
サクラ「おにーさん?」
「ああ、すまねぇ。なにか言ったかィ?」
サクラ「固まってたからどうしたのかなぁって思って」
「いや……あー……と」
固まっていた理由を考える。上にいるヤツらの名前はあまり出さねぇ方がいい。忍霧のことは話しちまったが。
サクラ「おにーさん……?」
「いや、上でもおにーさんって、呼ぶ子がいてよ。その子のことを思い出したんだ。まあ、その子は忍霧みてぇに過保護な感じじゃねぇんだけどな」
名前を出さずに、あの子のことについて話す。
過保護じゃねェが心配性……いや、男前の方が勝つな。服装は女の子っていうか、どこかのお嬢様風なのに……
サクラ「その人のこと、好きなんだね」
「はい?」
サクラ「え、違うの?すっごく嬉しそうに笑ってたからそうなのかと思ったんだけど……」
“違ぇ”
そう言えばすむだけなのにどうしてもこの言葉が出てこない。
なんとかして否定しなければ。そう思って顔を上げた時……
「嬢ちゃん!?」
目の前から忍霧妹が知らぬ顔でどんどん歩いていく。
(全っ然似てねぇ!!あの子はこんな活発的じゃ……)
どうして、彼女と忍霧妹を比べる。
なんで、こんなことを考える。
なんでこんなにも……
A『十二分に嬉しいんです(ニコッ』
ここにありもしない、彼女の笑顔を思い浮かべる。
俺はその答えを、
「待ちな。こらこら忍霧妹」
俺を“おにーさん”と呼ぶその子を彼女に重ねながら考える。
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ミー - エクスプロージョン愛し隊さん» エクスプロージョン愛し隊様、コメントありがとうございます!!おおおおかしくはならないでくださいね!?すごく、心配しますので……。亀最新ですが、これからもよろしくお願いしますm(*_ _)m (2019年9月7日 23時) (レス) id: 13fa699958 (このIDを非表示/違反報告)
ミー - 椎名零さん» 椎名零様、コメントありがとうございます!!私もご本人登場にはびっくりして、目が点になってしまいました……wこれからもよろしくお願いします!! (2019年9月7日 23時) (レス) id: 13fa699958 (このIDを非表示/違反報告)
ミー - 鬼ヶ崎カイコクさん» これから、もっとかっこよくなる予定ですよ!覚悟していてくださいね!!w (2019年9月7日 23時) (レス) id: 13fa699958 (このIDを非表示/違反報告)
ミー - 蓮花さん» 蓮花様、2度目のコメントありがとうございます!!読んでくださる皆様が楽しめて、ドキドキするお話を書いていこうと思っておりますので、これからもよろしくお願いします(*・ω・*)ゝ (2019年9月7日 23時) (レス) id: 13fa699958 (このIDを非表示/違反報告)
エクスプロージョン愛し隊 - 続きが気になる・・・気になりすぎておかしくなりそうです!! (2019年8月31日 11時) (レス) id: 55d994f4d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミー | 作成日時:2019年3月30日 23時