第147話 覚悟 ページ33
カイコクside
貴方「だレ………?」
そう言われた瞬間呼吸がしずらくなった。
いや、しずらいんじゃねぇ。できねェんだ。
重くて、苦しくて、彼女に触る手が震えていた。
それに気がついたのか彼女は俺の腕から離れていった。
「Aちゃ───」
貴方「黙って」
「!!」
貴方「なんでワたしの名前ヲしっテいルノ?どウして?知らナイ人でしョ?他人が気安くわたシのナまえを呼ばなイで。それニ、私ハあナたのことシらない。覚えテない」
無表情で暗くさせて淡々と喋る彼女。そこに俺が知ってるAちゃんの姿はなくて……
貴方「ゼん部、演ギ」
「?」
貴方「もシ、貴方ガわタしのことヲ知っテイるのだとしたらソれは、私じャないワたし。“ホンネ”なんテみせたラどうなるカ分からナいもの。人ハ、へイキで他ニんを裏切ル。信用ナンテしない。するコトすらナイ。だっテ、そうでショ?イイコトなんてナイんだから。イイコトなんて……ブツブツブツ」
俺とは目を合わせずかといって真っ黒い嬢ちゃんとも目を合わせず全く違う方向を見てブツブツ言いながらまた黒いなにかに沈んでいく。
これがパカの野郎が言ってた“壊れる”ってことなのか?もし、このままAちゃんが目覚めて嬢ちゃん達の前に出たらどうなる……。
………泣くな。特に嬢ちゃんや伊奈葉ちゃん辺りが。それだけは止めねェと。
「おい、そこの真っ黒な嬢ちゃん!!」
【は?私ィ?】
「お前さん、この子のなんでェ!?どうすりゃあいい!?」
【そんなのしらナーイわよ。勝手に壊れたんダーカらほっとけば?】
「そんなことできるわけねェだろ!!」
【意味わかんナーイ。どうしてそこマーデするのよ。貴方はあの子と血が繋がってるわけでも親しいわけでもナーイのになんでそんなに必死なワーケ?】
どうして………?んなもん────
「Aちゃんの事が好きだからでェ!それ以外に、これ以上に、その子を助ける理由なんて要らねェだろォ?!」
年甲斐もなく、大声を出して、その中に怒りと焦りを混ぜて黒い嬢ちゃんとその間にいる彼女に向かって叫ぶ。
走った。彼女の元まで。『行かなくてはいけない』そう思ったから。そこまでの距離はなかったかもしれない。走る必要なんてなかったのかもしれない。
格好つかねぇなァ……。なあ、そう思うだろ?
「A!!!」
腕を引き寄せた勢いで小言を続ける彼女の唇を塞いだ。
343人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「二次創作」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミー(プロフ) - 星が真っ赤に!!皆様、ありがとうございます!全然本編は進まず、大変申し訳なく思っておりますm(_ _)m皆様に楽しんで呼んでもらえるように駄作者も頑張りますので、これからも『モノクロ』をよろしくお願いしますm(_ _)m (2020年5月23日 22時) (レス) id: 13fa699958 (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - ミル産業さん» ミル産業様、コメント&リクエストありがとうございます!本当ですか!?ありがとうございます(*^^*)リクエスト承知致しました!早めに出せるよう頑張ります!これからも『モノクロ』をよろしくお願い致します! (2020年4月22日 15時) (レス) id: 13fa699958 (このIDを非表示/違反報告)
ミル産業 - このお話大好きです!カイコクさん推しにはたまりませぬゥゥッ///更新待ってます!あと、リクエストで、アンヤくんとか他のメンバーといちゃついていたのを嫉妬して問い詰めるカイコクさん、とか、酔っぱらいの夢主(又はカイコクさん)が見たいです。長文失礼しました! (2020年4月21日 21時) (レス) id: 66812cc6be (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - 蓮花さん» 蓮花様、返信が遅くなり申し訳ございません。何度もコメントありがとうございます!!&リクエストありがとうございます!!分かりました!少しお時間を頂きますがなるべく早くお見せできるような頑張ります!これからも『モノクロ』をよろしくお願い致しますm(*_ _)m (2020年4月3日 22時) (レス) id: 13fa699958 (このIDを非表示/違反報告)
蓮花 - ミーさんいつも、楽しみに読んでいます。もし、書いていただけるなら、書いて欲しいです。夢のお話の続きが、見たいです。お願いします。 (2020年3月27日 1時) (レス) id: fa1d4bf8d5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ミー | 作成日時:2019年9月3日 22時