第137話 身勝手な大人 ページ12
恐らくだが、この子にとって、兄姉の話は逆鱗だ。だからあえて聞かなかった。1つ汗をかきながらユウト君の方を見ると、口にコーヒーを運んでいた。
ユウト「死んだ………」
ヒノキ「……」
ユウト「と言われているが、遺体は見つかってない」
ヒノキ「!!?!」
ヒノキ「ど、どうして?新聞には………!!」
思わず席を立ち上がるが、ピタリと止まる。
ユウト「記事にされていることが真実とは限らない。ゴシップ誌なんてそうだ。書かれている内容が嘘八百ってパターンが多々ある。
人は、自分より優れた人間を嫌う。だから、その人の弱みを探してそれを見つけた場合、自分ではない誰かに一斉送信する。記事も似たようなもんだ」
そう言って彼が持ち出したのは、幼いお姉さん、Aさんが乗っている新聞の一面。
『数学の天才現る!!』
『小学一年生にして、数検資格を獲得!』
『数学の悪魔の再来!』
その中から1つヒノキが手に取る。その記事に写る女の子の目と自分の目が合う。
ヒノキ「!!」
シンヤ「ヒノキさん、どうかしました……っ!!」
冷たい目……。まるで、心臓を鷲掴みされたような、そんな錯覚まで生まれてきてしまうほどの冷たい目。
この子はまだ、小学生にもならないはずだ。なぜ、こんな、、、、こんな目ができる。
ユウト「これを話したのは、お前らを姉貴を見つけるのに利用するためだ。俺は大人は信じない。だが、姉貴を取り戻せるのならなんだって利用する」
ヒノキ「……」
ユウト「俺からだす条件は1つ。
俺もお前らが行くところに連れて行け」
ヒノキ「………もちろん」
“連れていくよ”
窓の隙間から風が吹き、雑誌のページがめくられる。
ありもしないことを、あったかのように語られる。それほどにも、大人は強く、恐ろしいのだ。
そして僕も、そんな大人達と同じ今を生きているのかと思うと……反吐が出る。
『火の悪魔の誕生。売ったのは実の親』
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ミー(プロフ) - 星が真っ赤に!!皆様、ありがとうございます!全然本編は進まず、大変申し訳なく思っておりますm(_ _)m皆様に楽しんで呼んでもらえるように駄作者も頑張りますので、これからも『モノクロ』をよろしくお願いしますm(_ _)m (2020年5月23日 22時) (レス) id: 13fa699958 (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - ミル産業さん» ミル産業様、コメント&リクエストありがとうございます!本当ですか!?ありがとうございます(*^^*)リクエスト承知致しました!早めに出せるよう頑張ります!これからも『モノクロ』をよろしくお願い致します! (2020年4月22日 15時) (レス) id: 13fa699958 (このIDを非表示/違反報告)
ミル産業 - このお話大好きです!カイコクさん推しにはたまりませぬゥゥッ///更新待ってます!あと、リクエストで、アンヤくんとか他のメンバーといちゃついていたのを嫉妬して問い詰めるカイコクさん、とか、酔っぱらいの夢主(又はカイコクさん)が見たいです。長文失礼しました! (2020年4月21日 21時) (レス) id: 66812cc6be (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - 蓮花さん» 蓮花様、返信が遅くなり申し訳ございません。何度もコメントありがとうございます!!&リクエストありがとうございます!!分かりました!少しお時間を頂きますがなるべく早くお見せできるような頑張ります!これからも『モノクロ』をよろしくお願い致しますm(*_ _)m (2020年4月3日 22時) (レス) id: 13fa699958 (このIDを非表示/違反報告)
蓮花 - ミーさんいつも、楽しみに読んでいます。もし、書いていただけるなら、書いて欲しいです。夢のお話の続きが、見たいです。お願いします。 (2020年3月27日 1時) (レス) id: fa1d4bf8d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミー | 作成日時:2019年9月3日 22時