モノクロ 【鬼ヶ崎カイコク】

第19話 ルール ページ21

アンヤ「アカツキ止まれ。動くな」

アンヤ君の声に後ろを振り返ってみるとアルパカの顔で羽が生えた奇妙な生物がジタバタしていた。

アンヤ「きもっ……気持ちわりい！！」

パカ「おや、珍しい。こちらは『パカメラ』でございます」

アカツキ「パカメラ？」

パカ「13番街の至るところに生息する撮影ロボットで、目がレンズになっております。
街の常設カメラをメインとするならこちらはサブカメラ。屋外での撮影はもちろんのこと、追尾機能がございますので、より臨場感のある撮影が可能なのです」

アカツキ「カメラ！？これかめらですか？！」

パカ「手触りや見た目にもこだわっております。そう……まるでいつも傍にワタクシが……」

『潰せ』

もふもふで気持ちよさそうだけど鳴き方気持ち悪いし。なんだよ“プギー”って。音が鳴るおもちゃじゃん。

パカ「なかなか人に慣れない生物なので、こうして寄ってくるのは珍しいですよ。平常はストーキングと盗撮を好むので……」

────カシャカシャカシャ

と二人の足元でパカメラのカメラの音が鳴る
1人はカリンちゃん。もう1人は……

貴「撮っても下着は見えないと思いますけど？」

私の下で鳴っていた。

貴「これね、スカートじゃなくてズボンなんだ」
と、パカメラに説明をして下にいるパカメラを抱き上げ遠くに向かって

────────投げた

おにーさん「なんでぇ、期待したのに(ﾎﾞｿｯ」

貴「聞こえてますよ。おにーさん」

アカツキ「だ、大丈夫なんですか、あれ！？」

アンヤ「ひとつぐらい無くなっても困らねえだろ」

パカ「それでは皆様。ご健闘をお祈りいたします」

どんちゃん騒ぎに紛れて去ろうとするパカ

パカ「……と、そうそう。ゲノムタワーや街の設備についてですが、いずれも自由に使っていただいて構いません

……ただ………


タワー51階以上は立ち入り禁止。違反者は極刑ゆえくれぐれもご留意ください」


貴「こないだ言いたかったのってそれ？」

パカ「はい。吟醸様はそのようなことをしないとは思いますが、念の為。それではご健闘を」

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