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いつものことですが ページ6

あの時とはうって代わり江戸川さんがスタスタと前を行く。

「あの!いい加減教えてくれませんか?!」

「何を?」

「だーかーらー!行き先!教えて下さい!!」

「だーかーらー、内緒って云ってるでしょ。」

「なんで!」

「なんでも。」

さっきからこんな様子でさっぱり目的地を教えてくれない。

言ったら不味いところなの?怖いんですが。

それでもしつこく聞いているといきなりピタリと止まって私を見た後、また何事もなかったかのように歩いた。

そして、こほんとひとつ咳払い。

「A変わったよね。最後にあってから何年だっけ?まあ何年でもいいか。」

「はい?なんの話ですか?」

「僕はそっちのAの方が好きだ。只、それをしたのがそこの素敵帽子ってことが頂けないな。」

「あの……?よく分からないんですけど。」

「君の兄も姉も君のことを愛していた。素敵帽子君に負けないくらいね。」

「……。」

「なのに君をそう出来たのは素敵帽子君だけだった。人間の思考は面白い。」

「……なにが言いたいんです。」

「あ、ほらついたよ。」

あからさまに話を逸らされたが取り合えず顔をあげた。

するとそこには、武装探偵社があった。

思わず一歩後ろに下がる。

「……っ!!」

「逃げるな。」

江戸川さんが私の腕を掴む。

怖くて怖くて怖いから、彼の手を必死で振りほどいた。

一歩、また一歩、と後ろに下がると、どんっと後ろにいた誰かにぶつかる。

ああ、そうだ。そうだよ。

振り返えってその人を見る。

「中……也、さん。私っ……。」

何を言えば良いのか、私は何を言っているのか。
分からなかったけど、兎に角助けて欲しくて声を出した。

「どうすれば、私はどうすれば……。ど、う、すれば……。」

どうしたら、幸せに、皆幸せに……。
私は、何をしたら、いいの?

「落ちつけ!!なんだ?何が手前をそうしてる?」

中也さんはガシッと私の肩を掴んだ。やさしく問いかけた。

「私は……ここに居ては、いけ、ない。帰らなきゃ……。」

……そうだ。
帰、らなきゃ。

気づくと私の足はふらふら家へ……中也さんの家へと歩いていた。

「おい、名探偵。今日は帰るぜ。」

「もちろんそうしてよ。A。今日は見逃してあげるけど、また来るの待ってるから。君に闇は似合わない。」

私は2人の声になど目もくれず、歩いた。

そんなことを気にしてる暇などない。

帰らなきゃいけないのだ。
1秒でも早く、帰らなきゃいけないのだ。

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珈琲牛乳(叶)(プロフ) - 千隼さん» ありがとうございます!がんばります! (2017年8月17日 6時) (レス) id: 6289cd537a (このIDを非表示/違反報告)
千隼 - 面白いです!更新頑張ってください。 (2017年8月13日 14時) (レス) id: 421a1d47af (このIDを非表示/違反報告)
珈琲牛乳(叶)(プロフ) - 月猫さん» ありがとうございます!!ご期待に添えるよう頑張ります。 (2017年6月18日 7時) (レス) id: 8d352a5492 (このIDを非表示/違反報告)
月猫(プロフ) - 面白いので更新してくれるの待ってます!! (2017年6月18日 1時) (レス) id: bfad42c78e (このIDを非表示/違反報告)
珈琲牛乳(叶)(プロフ) - 闇落ち寸前審神者さん» すみません、うっかりしてました。教えていただきありがとうございます。外してきました。 (2017年6月11日 17時) (レス) id: 4ede728386 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:珈琲牛乳(叶) | 作成日時:2017年6月11日 16時

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