慎重に選ぶべき ページ4
「よし、じゃあ行くか。」
起こしてから3分で支度を終えて出てきた。
「相変わらず早いですね。行くって……また朝御飯食べないんですか?」
「別に腹減ってねえし。」
中也さんはいつも朝御飯を抜いてしまう。
駄目だって言ってるのに……。
「そうですか。体に悪いですよ。大体中也さんはいつもお酒や煙草の量が多いんですよ。なのに朝御飯まで抜いたら死にますよ?」
「あー、はいはい。分かった、食うよ。明日から。」
少ししつこく言うとめんどくさそうにされてしまった。
いつものことだけど。
「それ絶対食べないですね。」
「んなことより、手前今日は何処に行きてーんだ?」
「話逸らさないで下さいよ。」
「いいから決めろ。」
威圧に負けて渋々考える。
「んーとそうですね……散歩でもします?」
「それ、目的地って言わねーな。まァ良いけどよ。」
「じゃあ決定です。決定。横浜散策行きますよー。」
気が変わって別なの考えろって言われる前にさっさとしよう。うん。
「お前最近変わったな。なんつーか我が儘になった……否、元気になった、か。」
「……嫌です?」
「……それで普通くらいだろ。」
「……。」
「……。」
顔を見合わせたまま沈黙が続く。
中也さんは真顔なのだが、私は顔がひきつっていく。
こういうの苦手なんです。
「は、早く……早く行きますよ!!ほら、来てください!」
「そんなに急ぐなよ。時間はまだまだあるんだぞ。」
「そんなこと言ってると置いていきますよ。」
振り返らないで走り出す。
行き先は実質決まっていないようなものだから、適当に。
右、左、左、左、左、左、右。
マフィアの家なので付近は複雑にできている。
後ろから中也さんの気配。
あれ、どんどん近づいてきて……?
「おい待てよ。おい、止まれって!」
流石の身体能力で難なく追い付き腕を捕まれる。
「うわっ……と。す、すみません。調子に乗りました……。」
私がどんな私でも中也さんは受け入れてくれる。そう再認識したらはしゃいでしまった。
恥ずかしい限りだ。
「それは別に良いが、走ったら散歩じゃねーだろ。」
いやいや、真面目か。
「と、云うのは冗談で。手前と一緒にいたいのに手前が先に行ったら困るだろ。」
「え、あ、ああ、な、成る程?」
急にそういうのは……無し、でしょ……。
この際白状してしまうと私は中也さんが好きだ。
勿論恋愛的な意味で。
だからそういう顔はしないで欲しい。
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珈琲牛乳(叶)(プロフ) - 千隼さん» ありがとうございます!がんばります! (2017年8月17日 6時) (レス) id: 6289cd537a (このIDを非表示/違反報告)
千隼 - 面白いです!更新頑張ってください。 (2017年8月13日 14時) (レス) id: 421a1d47af (このIDを非表示/違反報告)
珈琲牛乳(叶)(プロフ) - 月猫さん» ありがとうございます!!ご期待に添えるよう頑張ります。 (2017年6月18日 7時) (レス) id: 8d352a5492 (このIDを非表示/違反報告)
月猫(プロフ) - 面白いので更新してくれるの待ってます!! (2017年6月18日 1時) (レス) id: bfad42c78e (このIDを非表示/違反報告)
珈琲牛乳(叶)(プロフ) - 闇落ち寸前審神者さん» すみません、うっかりしてました。教えていただきありがとうございます。外してきました。 (2017年6月11日 17時) (レス) id: 4ede728386 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:珈琲牛乳(叶) | 作成日時:2017年6月11日 16時