シアワセノカタチ

･ ページ3

君はいつも気分屋だったから



慧｢もしもし？｣

私｢けぇぇ〜いぃぃ？｣




いつもよりも高いトーンで甘えた声で




私｢……あいた〜い｣




普段じゃ絶対言わないようなことを
いきなり電話してきてお酒の力を借りて言ってみたり




慧｢ん会おっか｣

私｢ごめんね…慧｣





かと思ったら急に叱られた子供みたいにトーンが落ちて




私｢大好きよ｣




3年も一緒にいるのにこの一言の破壊力は絶大で笑
ほんとに君には敵わない




慧｢なによ笑｣

私｢ふふ笑｣





楽しそうに笑ってさ、
今どこにいるの？大丈夫？変な男に絡まれたりしてない？
そうなる前に早くタクシー乗って？




そう言うと君は




私｢タクシー代もったいない、歩く｣

慧｢夜道は危ないからさ｣

私｢慧と話しながらお散歩したいの｣




必ずこう言う





隣を歩けない、俺が彼氏だから。




私｢電話なら週刊文春にだって撮られないでしょ〜？笑｣





頭いいのか悪いのか、ほんと

ごめんね、悲しい思いばっかさせて





慧｢大好きだよA｣





きゃははって楽しそうに笑う電話口の向こう側
君の弾けるような笑顔を浮かべながら
マンションのエントランスをくぐる

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