シアワセノカタチ

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｢…いくか｣










どのくらいこうしていたのだろうか
周りはあっという間に暗くなってきた










世間はクリスマスモード真っ只中
ついこの間までかぼちゃのお祝いをしてたと思ったら、
今はもうツリーを飾ってはしゃいでる










手を繋いで寄り添ってみんなキラキラした目で歩いてる








｢可愛いな〜｣








あんな風に、誰かの目に可愛く写りたくて
一生懸命オシャレをしたのはいつが最後だろう









大きなツリーの前、寄り添って写真をとるカップル達










その中に








｢……｣








目深に帽子を被ったひょろっとした男性の背中を1つみつけた







見間違えるはずなんかない








長年探し続けたたった1つだけの後ろ姿











ほんの一瞬













そのほんの一瞬に












私の心臓が大きく音を立てた








｢……っ慧！｣












キョロキョロと周りを見渡して、
すぐに足を引き返して車に乗り込む後ろ姿にむかって












思い切り走る









人混みをかきわけながら










体力なんてあるわけないのに











一生懸命










もう一度










もう一度








そのたったもう一度を求めて








ただひたすらに走った







しかし無情にも走り去る車の後ろ姿をみて








｢っはぁ……はぁ……｣







私たちはもう








戻れないとこまで来てしまったのかもしれないと強く思った

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