シアワセノカタチ

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透馬｢…マリッジブルー？ってやつ？｣




｢んー？｣






夜、黄昏ながら寝室の窓から月を眺めていた






透馬｢なんか不安なことある？言って？｣




｢なーんもないよ。無さすぎて不安なくらい｣




冬馬｢…そっか｣





そっと彼に後ろから優しく抱きしめられる






透馬｢いよいよだね｣



｢…だね｣




私はまもなく





白田Aになる






透馬｢幸せに…さ｣



｢うん｣



冬馬｢なれるよね｣




｢え？疑問系笑｣




透馬｢んー、断定かな〜？笑｣





幸せな会話のはずなのに
月を見ながらやっぱり思い浮かべるのは彼の笑顔で






どこまで私はないものねだりなのだろうか






冬馬｢冷えるよ、そろそろ中入ろ？｣




｢うんもう少ししたら行くね｣




透馬｢わかった｣





ベランダの扉がゆっくりと閉まる





冷たい風が肩にあたる
寒いからか、空気が澄んで月がいつもより綺麗に見える





見てるかな？







見てないか、忙しいもんね、






結婚したらもう本当に会えなくなるな
考える暇も無くなっちゃうのかな








ねえ慧








私






結婚しちゃうよ





｢…ｯｸｼｭん｣




慧｢大変だ俺のお姫様が｣




｢え！ちょっとやめてよ！重いよ！！笑｣




慧｢こんな寒い日に長時間外なんか出て！風邪ひくに決まってんでしょーが！｣



｢わかったよ！！！笑｣



慧｢迎えに行かないとだ大変大変｣





力なんてないくせに
その細い腕で私を軽々持ち上げて
ポスンとベットに落とす





慧｢あああ腕が！！！！！！！｣




｢もうやめてよ！笑笑｣





2人の笑い声が楽しそうに今でも聞こえてきそう




｢…｣






ふと振り返って寝室をみても
真っ暗なまま
誰もいなかった

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