シアワセノカタチ.*kei I..3 (ページ18)

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マネ｢あ、はは、いや〜つい熱くなっちゃってすいません笑
着きました｣

辺りはさっきと違い
もうすっかり暗くなっていた

｢ありがとうございます｣

もう一度
クリスマス本番の恵比寿の地に足を踏み入れる

クリスマス、ウェディングドレス、問題なく目立つ

｢…｣

歩きにくい中ドレスを持って歩いていたら後ろからそっとまもるさんがドレスの裾を持ってくれた

マネ｢これ、大変ですよね。
うちの妻も上手く歩けてなかった笑｣

｢あ…ありがとうございます｣

エレベーターでレストランへ向かうと、
もうすっかりディナー仕様になっていて結婚式の面影は1ミリも無くなっていた

透｢…A？｣

｢透馬｣

レストランの近く、展望台のすぐそばに
荷物を持った透馬の姿があった

透｢会えた？｣

｢…っうん！｣

透｢よかったっ!!｣

ぐっと腕を引かれて彼に抱きしめられる

透｢正直五分五分だったから…!!タイミングとか…!!
俺何も考えてなくて…!!もし間に合わなかったらって心配で｣

ほんとにこの人はどこまで優しいんだろう

透｢ほんとにほんとにっ…良かった｣

身勝手にもその場を去った花嫁の幸せを
涙を流して喜ぶなんて

｢っ…｣

トントンと子供を諭すように優しく背中が叩かれる

透｢これ、着替えてきな？動きにくいでしょ｣

差し出された紙袋にはわたしのワンピースが入っていた
多目的トイレで着替えてホールに戻るとまもるさんと仲良さそうに話す透馬の姿があった

｢ありがとう透馬｣

透｢うん｣

あ、これねと、渡されたのは私の私物が入ったカバン

透｢ドレス俺が返しとくね｣

｢いや！それは悪いよ。私が返す。お詫びもしなきゃだから｣

透｢ううん。これは山崎Aのドレスだから。｣

ﾁｸﾝと棘を刺すようにそう言って彼は私の手からウエディングの入った大きなケースをとった

透｢AAさんのものじゃない。…もう考えなくていい。｣

そう言って彼もまた
暖かい残酷な笑顔を向けた

透｢な〜んて、ちょっと最後にいじわる笑
言いすぎたかな？ごめんごめん笑｣

暖かくて優しい手がそっと頭を撫でた