シアワセノカタチ.*kei I..3 (ページ16)

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バタンと車の扉がしまる

ケータイ…会場だ

なんも持ってない…

｢…｣

そっと唇に触れる

熱の篭った唇から
さっきの瞬間を思い出して、頬が赤くなるのがわかる

初めてこんなことした

生まれてこの方、ズル休みとか、
ドタキャンとかすっぽかしなんてした事ないからこの後どうすればいいかわかんない

思ったまま
意のままに行動してしまった。

不安な気持ちは慧が全て吹き飛ばしてくれたけど
事実は変わらなくて、

私は結婚式で新郎を置いて逃げた花嫁であることには変わらない

ｺﾝｺﾝ

｢…？｣

車の外からガラスを叩く音がして慌てて振り返る

マネ｢ごめんごめん驚かせちゃいましたね｣

｢あ！いえ、、色々すみません。ご迷惑を｣

マネ｢いいのいいのどうせアイツが無茶するだろうって予想はしてたから笑｣

｢いやいや、｣

大の大人2人が揃いも揃って、何をしてるのかと
叩かれてもおかしくない状況にどこか楽しそうに笑うマネージャーさん

マネ｢収録〜時間の都合上…ここ連れてきちゃったけど、着替えたいですよね｣

｢でも私全部置いてきちゃって｣

マネ｢ドレス戻して荷物取りに行きますか？｣

｢はい｣

本当は戻りたくない。
どんな顔をして戻ればいいのかわかんないし、
でもそんな子供みたいなこと言ってられないし

｢よろしくお願いします｣

マネ｢うん。あれだったら俺も一緒にいきますよ｣

マネージャーさんの笑顔はとても心強かった

ガタガタと揺れる車内
不格好に揺れるピアスと髪飾りを外す

マネ｢Aさんですよね｣

｢はい｣

マネ｢伊野尾から話は聞いてます。今までのことも最近のことも｣

｢…｣

別れろとか、、言われるのかな
なんて私の不安は一瞬にしてかき消された

マネ｢こんな素敵な人がそばに居てくれるならあいつも安心だ｣

見たことないくらい
暖かな笑顔を向けて微笑んでくれたから