シアワセノカタチ.*kei I..3 (ページ13)

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｢…｣

慧｢…｣

マネ｢……｣

しいんとした空気感の中で
ガタンガタンと揺れる車内の音だけが響く

視線を向けると
真っ白なお姫様もこちらに視線を向けて
何故か慌てた様子でばっと目をそらす

慧｢お腹すいてない？大丈夫？｣

｢…うん、大丈夫｣

マネ(…沈黙後の第一声それかよ)

小さく震える彼女の手をギュッと握る

こういうとき、なんて言っていいのかはわからないけど
ことばよりも彼女の不安を拭う方が先なのはなんだかわかった

俺のジャケットを肩にかける彼女は
いつにも増して小さく見える

ジャケットに着られちゃっててなんだか可愛い笑

慧｢A…ありがとう｣

｢ん？｣

慧｢来てくれて。その、手紙読んだ上で…｣

｢読んだ、うん。聞いたよ。手紙、ありがとね｣

改めてそう言われるとなんだか恥ずかしい気持ちが込み上げる

もう、会えないと思って書いたものだから尚更

慧｢俺ね、もう一生会えないと思ってた｣

｢うん｣

慧｢自分勝手だけど手紙渡して、一目見て帰ろうって｣

｢うん｣

ほんと、自分勝手だよね
いきなり別れて、数年後いきなり現れていきなりキスしていきなり告白して、いきなりお姫様だっこして

慧｢めちゃくちゃだよね笑｣

｢うん｣

慧｢でもあれが俺の本当の気持ちなんだ〜｣

マネ｢…(伸ばすな)｣

彼女の瞳には大粒の涙が溜まっていた