シアワセノカタチ.*kei I..3 (ページ12)

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しばらくぼーっとしてたらプランナーさんがいつの間にか来ていて

プランナー｢…あ、参列者の方…ですよね？｣

慧｢あ、いえ、俺は｣

プランナー｢少しお話は聞いています！新婦様から、もしかしたら来るかもと｣

A、俺が来ると思ってたんだ。

慧｢あ、手紙渡してあるんで大丈夫です。すみません。｣

プランナー｢…そうですか。いいんですね？｣

良いわけなんかないよ。
でもこうするしかないんだよ、

慧｢あ、じゃああの、手紙一瞬貸して貰えたり…しますか｣

そういうとプランナーさんは会場内へと走っていった

プランナー｢ほんとは…だめなんですけど。少しなら。｣

お姉さんのご好意で追加で書くことにした
最後のメッセージ

プランナー｢…｣

慧｢…お願いします｣

凄く心配そうな目で見るプランナーさん
一目見ていけばいいのに。そんな顔してる
ちゃんと、話せばいいのにって、そんな顔

でもそんなことしたら俺戻れなくなるから

最後のメッセージを書いてその場を後にした

どのくらいこうしていたんだろう

自分でもわけのわからない感情をかかえながら
無駄に広い東京の景色を眺める

周りにはカップルがたくさん

とどまることのない思いをかかえながらエレベーターを降りた

いくつかあるベンチに腰かけながらある日の電話のやり取りを思い出す

慧｢座り心地…悪いな｣

誰と聞いてない、聞こえてない
ボソッと呟いた声は自分にだけ帰ってきた

__｢座り心地悪いでしょ、1人だと｣

そう言って隣に座ってくれるAの姿が浮かんでは
そっと消えた

あっという間に時間は経っていて
気づけばあたりは夕暮れ色

女の子｢ねえままみてー！お姫様がいるよ！｣

小さな女の子の声がしてふと顔を上げるとそこには

何かを探すように必死な顔をした
Aの姿があった

みつけた

もう離さない