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慎side

帰り道、透華さんの名前を呼んで手を振る男と会った。

「久しぶりだなぁ!元気か?ああ、元気じゃねぇか。お前歌えなくなったんだろ?」

バンバンと肩を叩くその男を透華さんは無視していた。
けど、そんなデリケートな事を笑って言うとか信じられない。

「無視するなよ〜。つーかこの男誰?」

俺に触れそうになった男の腕を透華さんが掴んだ。

『触らないで。もうあなたとは関わりたくないの。』

透華さんがそう言うと男はあからさまに不機嫌な顔になった。

「調子に乗るなよ。あの時みたいに階段から突き落としてやってもいいんだぜ?」

階段から突き落とした……!?
透華さんが歌えなくなった原因にこの男も関係あるって事だよね?

それならこれ以上透華さんに近付いて欲しくない。
俺は急いで壱馬さんにLINEを送った。

【透華さんに危害加えた人に会いました。helpです。】

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作者名:緋扇 | 作成日時:2018年8月1日 23時

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