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北人side

『なるほど、おばあちゃんから聞いたんですね。…………人には触れられたくない部分があります。それも分からないんですか?』

壱馬「分かる、せやけど俺は……」

『ッ、いい加減にしてよ!』

それは突然の叫びだった。
今まで抑えていた感情が溢れ出したような。

『あなたが“Luce”の何を知ってるの!?歌姫である事を強要され、歌う曲は必ず売れるようにしなくちゃいけない重圧、いきすぎたファンからの歪んだ気持ち、同性からの嫉妬……私じゃないのに、私を分かったような口を聞かないで!!!』

歌川さんは息を荒らしてそう叫ぶと、ハッとした顔をしてリビングを出て二階の自室へと走っていった。

山彰「かーずーまー?あれ程触れないようにって言ったのに。」

壱馬「すいません……どうしても歌川さんにもう一度歌って欲しくて。あの時のような笑顔で笑って欲しくて。その笑顔を守りたいと思うてしまったんで……。」

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作者名:緋扇 | 作成日時:2018年8月1日 23時

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